現代版ダッジチャレンジャーは、2008年にデビュー。それ以降年々進化し、基本ベースは変えずとも様々なバリエーションを生んできた。その極めつけがヘルキャットでありデーモンであったのだろう(のちのレッドアイもこの二台がベースになっている)。
だが、そういうバリエーションは毎年生むも、デザイン的な面でいえば、何かひとつ足りないと常に言われていた。往年のモパーマッスルが醸し出す大迫力に迫る何か、である。
それまでにいろいろなチャレンジャーを実際に見てきたが、常に感じる不足感。だが、あるチャレンジャーを見たときに感じた満足感。そう、巨大なボンネットフードの形状、いわゆるシェイカーフード(SHAKER HOOD)である。
シェイカーフードとは、ラムエアーを取り込むスクープが、エアクリーナーケースと一体化した構造になっており、それがボンネットを突き抜けて車外に出ている仕様のことで、エンジンと共に振動(=shake)することからその名が付けられている。
またシェイカーフード搭載車には、ボンネットの裏側にそれを示すステッカーが貼られているのだが、各アルファベット文字の上下にシャドーが入っているので、静止状態でもまるでステッカーが振動しているように見えるのである。
現代版チャレンジャーの場合、2014年モデルからシェイカーフードが装着されたモデルが登場している。厳密にいえば、2014年は限定モデルのみであり、いま日本で入手するのは至難の技といえるかもしれないが、2015年モデルからは、各グレードにシェイカー装着車が存在していたために、2014年モデルほど手に入れるのは難しくない。
というのも、2015年以降は「R/T」にも「R/Tスキャットパック(その前の392HEMI)」にもシェイカーフードが装備されていたからである。
ちなみにシェイカーフードは、排気効率がよくなるのは事実だが、メーカー公表値としてパワー等に変化はない。だが、このパーツが装着されたチャレンジャーのデザイン的魅力は一気に跳ね上がる!
さらに余談だが、シェイカーフードが装備されるのは上記2モデルのみ。すなわちヘルキャットやレッドアイには装着されないから、その差別化として、あえて欲しいパーツとも言えるのである。
とはいえ、すでに生産終了しているから、入手するには中古車でしか叶えない。だが、日本における基本的な台数が少ないこと、また、すでに乗っている方がいれば、そうした方々が手放さなければ中古車市場にすら出てこないから、必然的に入手が難しい個体なのである。
またまた余談だが、上記でシェイカーフードは2014年に登場していると書いた。それは、1970年型チャレンジャーをモチーフに生まれたこの現代版チャレンジャーは、2008年に登場し2014年でひとつの区切りを付ける。その最後の一年間のみ限定販売された「R/Tシェイカー」こそが、リアルな復刻版の完成型としてアメリカ本国でもてはやされたのである。
で、その人気に乗じて、マイナーチェンジが施さた2015年からシェイカーフードはカタログモデルとして入手することが可能になったという流れである。ちなみに個人的には、ヘルキャットと同等レベルの存在価値がシェイカーモデルにはある! と思っている。
チャレンジャーの生産終了に伴ってEVマッスルカーがデビューするという話が、生産終了の約1年半前に広がった。そしてその後EVモデルのコンセプトカーが発表され、現代版チャレンジャーが2023年いっぱいで終わる、という事実に直面する。
その一方で、直6ツインターボ、通称ハリケーンエンジンを開発しているというから、どこかで「チャレンジャーのフルモデルチェンジ」を期待していところがあった。
で、実際、そのハリケーンエンジンを搭載するチャージャーが復活するというが、チャレンジャーの登場は99%ないという。
ということで、チャージャーと名の付く直6ツインターボエンジンを搭載した新型マシンは2025年にデビューするが、同じエンジンを搭載したチャレンジャーの復活はないということだから、いま我々が目の当たりにしている中古車こそが最後のチャレンジャーなのである。
だからこのデザイン、V8エンジン(V6エンジン)を持った現代版チャレンジャーを大切にすべきだし、同時にこのクルマの価値は今なお非常に高く、この先もずっと続くのである。
ということで、シェイカーフードを備えたR/Tスキャットパックの個体である。2021年型で走行3万キロのBCD認定中古車。ボディカラーはグラナイトだから、派手すぎず暗すぎずのカラーであり、ボディ外装のコンディションも非常に良い。
それは、BCD車両として販売された車両が乗り換え等によってBCDに戻ってきた車両だからであり、すなわち認定中古車として認められた状態の良さを意味しているから。
また当然、BCDによって車両精査と点検&メンテナンスが行われており、何よりBCDの管理ユーザー車として定期的なコンディションチェックが行われていた車両であるから、そうでない車両よりも安心感が断然高い。もちろん無事故車両である。
現代版チャレンジャーのシェイカーモデル、しかも数少ない6.4リッターV8エンジンとの組み合わせだけに、レア個体の程度良好車に乗れる最後のチャンスと言えるかもしれない。
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