過去のエントリーで、現時点でのリンカーンナビゲーター人気は圧倒的に旧モデル(03年-06年)であるという記事を拝見したが、私自身も取材して実際に入手した実感としても、やはり旧モデル人気の圧勝であった。
果たしてなぜか? まぁ理由はいろいろあるにせよ、中でも一番の理由が中古車として買いやすい価格帯にあるということだと思う。それにある意味保守的な、万人に受け入れてもらいやすいデザインや豪華さなどだろうとも思う。
だからこそ、07年型以降の現行ナビゲーターを見ていると、「ちょっとやり過ぎ的な感じ」が漂うというか。あまりにもアバンギャルド過ぎて、「果たしてオレはあのクルマに似合うのか?」を常に問いたださなきゃいけないくらい、高みの存在に思えてしまい、付き合うのにちょっと疲れてしまうというかなんというか(よく言えば想像を超えるくらいオシャレ過ぎてしまうという感じか)。
仮面の騎士を思わせるフロントマスク、ドアを開けた瞬間に、すうーっと出てくるパワーランニングボード、そして極めつけのリッチでモダンな室内空間。少なくともオレは、このクルマにジャージでは乗れない…。そんな印象を抱かせる高貴なクルマはそうはないだろう。
個人的な印象だが、同様の存在としてライバル視されるキャデラックエスカレードは、全体の作りやパワーフィール、そしてメカニズム的な内容においても、ナビゲーターと比較して劣るところはまったくない。
人によってはエスカレードのがワンランク上とまで評価する方もいるという。
この現行型に搭載されるエンジンは、5.4リッターV8SOHCエンジン。304hp、最大トルク50.5kg-mを発生させる。最新型では304hpから314hpに若干のパワーアップを果たしている。
ブラックレザーとエボニーウッドが組み合わされたインテリア。リッチでモダンな空間演出を施し、フォーマルな装いが似合う優雅さを実現している。
ブラックレザーにブラウンのパイピングアクセントは豪華この上ない。
リアテール周りもクローム系パーツで飾られているが、ギトギト感はなく上品にまとめらている。
とくに搭載されているエンジン同士の比較においてはエスカレードのほぼ圧勝に近く、そういった部分によっても、両者が比較された場合に常にエスカレードが勝者となっている。
実際に07年型で比較すれば、エスカレードに搭載されている6.2リッターV8は409hpを発生させるが、ナビゲーターに搭載されるエンジンは5.4リッターV8で304hp(最新型では314hpになっているが)。
この種のフルサイズSUVとして速さ云々はそれほど大切ではないのだが、やはりナビゲーターはここ一発のパンチに欠けるという印象だ。
だからこそ、全体の分かりやすさにおいても圧倒的に「エスカレード人気」が高まっているのは事実ではあるのだが(いまや憧れのSUVナンバーワンに君臨)、逆に、われわれはというか、私は、誰にでも乗れないこの敷居の高さの塊みたいな現行ナビゲーターを推したいのである。
現代のクルマが陥っているスペック至上主義の枠から見事離脱(?)しているナビゲーターは、唯我独尊といってもいい、独特の世界観で支配されている。デザイン、乗り味、室内空間…。遅いとか速いとかそういった枠にとらわれない、豊かさで満ちた身のこなし。
だからこそ、他車と比較さえしなければ、何一つ不自由を感じさせない見事な存在なのである。
エスカレードに関していえば、初代から「らしさ」溢れるデザインで、それを毎回進化させた、万人に受け入れやすいデザインが特徴的である。
搭載されるエンジンは、6.2リッターV8OHV可変バルブタイミング&可変気筒システム付409hp、最大トルク:57.4kg-mを発生させる。圧倒的にパワフルである。
パワーや走行性能にまったく不満はないのだが、乗員へのおもてなし度合いにおいては、圧倒的にナビゲーターが勝っている。たとえば、荷室。エスカレードはサードシート装着のままではフルフラットにはならないとか。
実際に走らせても、その優雅な印象は変わらない。5.4リッターV8とはいえ300hpオーバーゆえにストレスなく加速する。エンジンはアイドリングから豊かなトルクを発生させ、1500回転も回せばいかにもといった力強さを伴ってナビゲーターを走らせる。
ただし、このクルマに似合っているのは、余裕の走り。アクセルを深く踏み込んでバタバタ走るよりも、軽いアクセルワークで優雅に流すほうが、このクルマには似合っているだろう。
乗り心地も俄然良く、走行中の心地よさは格別である。とくにソフトでありつつも節度ある動きがもたらすサスペンション性能には不快感がまったくなく、大柄なボディであるにもかかわらず、運転が苦にならない。これはまさにナビゲーターならではの優雅な振る舞いによるものである。
この07年以降の現行型ナビゲーターは、意外にも程度良好が多いという。まだまだ価格帯が高い位置にあるということもあるのだが、このクラスの車輌の購入を検討している方々には「是非ともご一考を」と強くお勧めする次第である。
たっぷりとしたサイズのレザーシートに加えて、クラシカルなデザインのメーターパネルや美しく輝くアナログクロック、端正な模様の本木目パネルなどを見つめつつのドライブは、きっとあなたの心をも豊にしてくれるに違いない。
リアゲートは自動で開閉可能。リアゲートのウインドー部分だけの開閉も可能となる。さらに荷室は、3列目シートの自動格納が可能であり、収納すると広大なフルフラットスペースが現れる。
個人的にお勧めなボディカラーが、この「ホワイトプラチナム」。クリームっぽいカラーリングとクローム系パーツとのコンビネーションが抜群で、豪華さ、優雅さを見事表現している。
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