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1967年から1969年まで存在した初代カマロ

1969 シボレーカマロ SS (CHEVROLET CAMARO)

毎日乗れる「大人仕様」に仕上げられる

大人仕様とは、いたずらにガチガチにせず、扱いづらいチューンをせず、そして親の敵みたいな音を発生させる爆音マフラーを装着せず。それよりはどちらかというと、毎日乗れるスマートな旧車を目指して仕上げられたアメ車のことである。

更新日:2014.04.23

文/椙内洋輔 写真/古閑章郎

取材協力/エイブル TEL 0448571836 [ホームページ] [詳細情報]

旧車を街中でサラリと使いこなす

 待ち合わせ場所は青山通りから通り一本奥に入ったところ。土曜の早朝ということで、ガラガラの道路状況を予測していたがさにあらず。クルマの数は多く、しかも流れが速い。正直「大丈夫かな」と思わずにはいられなかった。

 ところが、69年型カマロは、何事もなかったようにやってきた。その流れの速さにのまれることもなく。しかも近くに来ないと分からないような上品なV8サウンドを奏でつつ。

 開口一番「大丈夫でしたか?」

 聞けば、川崎から青山までの自走でもまったく問題なかったという。コンディション良好なクルマに乗っている方にとっては、恐らくこの質問はちょっとムッとするかもしれないが、取材する側からすれば、正直なところ心配でしょうがなかった。

 しかし、その後約2時間、青山界隈を走りつつ撮影し、止めたり走ったり、右に左に動かしたりしているうちに、聞いていた通りのクルマであると、十分理解も納得もできた。

 それに、こんなカッコイイ、今となっては逆にオシャレなデザインのアメ車に気負わずに乗れるなんて「なんて素晴らしいんだ」と絶賛の嵐だった。ちなみに、撮影中には「ドラマの撮影でもやっているのか」と、視線の集中砲火を浴びていた。

 このカマロは、ある程度手を入れてから約7年くらい経っているというが、その時以来普通に街中を走って買い物にも使えるし、週末のツーリングにも使えるし、旧車であるという不安をあまり考えずに乗れているという。

 とはいえ、何百万円もかけてフレームオフでフルレストアした車両ではなく、良好なベースを見つけ、使えるものと危なそうなものを判別し、改善を図っていきながら走りつつ、ポイントを抑えては直していくという作業を繰り返し、ある一定以上の水準を保つところまでやってきている(これこそがエイブルのコンセプト)。

 だからこそ、その作業を終えてから7年はほとんどトラブルもなく消耗品を変えるだけで気軽に乗れるレベルで過ごせているのである。

搭載される350エンジンは過去にヘッド周りのレストアを行っており、バルブすり合わせ等も行われている。また補機類にも手が加えれており、プラグコードやMSD等、そしてオルタネーターはエイブルご自慢の日本製オルタネーターを装着して電気系の確実さを増している。それによりエンジン始動は一発。グワッとひと吼えした後はスロットルペダルを軽く踏めば、ごくごく普通に走りだす。

インテリアはオリジナル重視に若干のリメイクをかけることで、コンディションを維持している。だが各部のメーターはすべて動き、誰が見ても状態の良さを物語る。後付けのメーターやポータブルナビゲーションはオーナーさんによるもの。

ダッシュにひび割れやキズ等はほとんどなく、使用されているウッドパネルも同様に割れキズはない。

現代のV8では味わえない濃密な感じとサウンドが魅力的。

普通に走る分にはまったく問題ない

 余談だが、旧車を扱っているお店はいろいろあるが、中でも旧車をメインとするショップはどこもみな個性的であり(笑)、旧車に対して一家言あるようなショップばかりではあるが、個人的な感想を言わせてもらえれば、正直主張があるからこその押し付けがましさ、みたいなものが感じられて、敷居の高さがもの凄いと思っている。だからこそ、「旧車=1000万円」みたいな印象を与えるがゆえに、ユーザーが増えないのではないか。

 もちろん、購入時にそういったフルレストアをしてから乗るという乗り方もアリだとは思うが、欲しいクルマを、手の届きそうな範囲で仕上げて楽しむのも、またアリなはずである。

 エイブルが実現しているそうしたコンセプトは、だからこその広がりを見せており、またそうしたクルマたちに対してピンポイントの整備やアドバイスができるからこそのアプローチでもあるのである。

 このカマロに搭載される350エンジンは過去にヘッド周りのレストアを行っており、バルブすり合わせ等も行われている。また補機類にも手が加えれており、プラグコードやMSD等、そしてオルタネーターはエイブルご自慢の日本製オルタネーターを装着して電気系の確実さを増している。

 なにより凄いのが、エンジン始動のかかり具合。着座してアクセル煽って、長めのクランキングで…、といった儀式みたいなものはまったく必要なく、何ならドアを開けて乗り込まずにそのまま一発始動が可能なほど安定してる。

 足回りは、ショックを交換し、コントロールアームやタイロッド等のガタの見直しも行っており、ブレーキの高性能化も行われている。これらにより、街中での走りは格段に変わっており、旧車だからといった違和感をあまり持つことなく走ることが可能である。とはいえ、高速道路の右車線を突っ走るといった走りには正直向いていないが。

当時の雰囲気を残しつつ、若干のリメイクをかけているインテリア。使っているからこそのヤレは多少出ているが、コンディションは非常に良い。

リアシートも同様にコンディションは良好。ほとんど使用された形跡がないようなレベル。

日常的に乗るためにブレーキだけは注意が必要ということで、大径のものにて調整されている。それにより、ブレーキの気難しさは一切感じさせないものになった。

もちろん個人の好みもあるので一概にはいえないが、アメ車アメ車したこれみよがしな尖った部分がないクルマだからこそ(?)、街中にもスムーズに溶け込み、青山あたりでも十分オシャレな一台として通用しそうな感じだった。

使っているからこその風合い

 使えるものはそのまま使い、現代の道路事情において不都合と思われる部分に手を入れつつ、オリジナルのカマロの風合いをうまく残しているのがエイブル流。だからか、パリッパリの新車には見えないが、年式ゆえ&気軽に使えるがゆえの「良い歳の取り方」みたいなヤレは出ているが、それは乗っているからこその味でもあり、飾り倒しているクルマには出ない風合いである。

 もちろん古いからこそのトラブルも、可能性としては現代のクルマよりは高いはずである。

 だが、実際に試乗させてもらい移動してみたが、「それがどうした?」と言えてしまうほど、旧V8エンジンの息吹は魅力的であり、なによりこのフォルムのクルマに毎日乗れるという嬉しさの方が格段に上回ってしまうから不思議である。

 すなわち、それこそが「旧車の魔力」であるのだろうと思う。

フロントのみ1インチローダウンし、程よいケツ上がりのスタイルをまとっている。パッと見て、外観上で非ノーマルを感じさせるのはそのくらいである。

ショックを換える等して古いアメ車特有のふわふわ感をうまく抑えており、一般道&高速道路においても、法規を遵守する程度くらいの走りなら余裕でこなせるくらいの状態になっている。

さすがに雪の日は無理だが、雨くらいならまったく普通に出かけてしまうというから素晴らしい。こうした日常使いできる旧車は魅力的である。

現代のアメ車がなくしてしまったボディの薄さというか、流麗さがたまらなくステキである。ボディは前オーナーにより現在のガングレーにペイントされている。とにかくこのボディだけでも所有感を満たすだけの価値があると思わせる。

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