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チューニングの魅力、変わる楽しさはアメ車ならでは!

SCで武装された クライスラー PT クルーザー

CHRYSLER PT CRUISER

6年の歳月を供にしたPT クルーザーに新たなチューニングを施した。結果、再び魅力を得たことで、また新たなPTとの楽しい生活が始まるのである。

更新日:2011.04.25

文/編集部 写真/編集部

走りのエッセンスを加えたチューニング

 PTクルーザーは、レトロ調のデザインと効率的な室内パッケージを備えた理想の小型実用車として人気を博したモデルである。2000年の発売当初は2リッターエンジンを搭載し141馬力を発生させていたが、2005年モデルから2.4リッターエンジンに換装され、さらにその年にはインタークーラー付ターボチャージャーを搭載したGTが追加されるなど、約10年に渡り発売され続けた長寿モデルであった。昨年ファイナルモデルがリリースされ、その歴史に幕を閉じたが、いまだに存在価値の高い小型アメ車として多くのユーザーを抱えている。
 そんなユーザーの一人がPTクルーザーのカスタムカーを製作した。基本、実用がベースのPTクルーザーに「走り」のエッセンスを加えた1台である。
 ベースとなるのは05年型の2.4リッターエンジン搭載車。すでにウイップルのスーパーチャージャーを装着し、オリジナルエアロやスタビ、ダウンサス、さらに大径ブレーキパーツ等で強化されたそれは、一種独特のオーラを発し、エンジンおよびマフラーからも迫力あるサウンドを奏でている。今回、このベース車両のヘダース部分をバージョンアップすることで、各種強化されたパーツの中でも唯一といっていいノーマル部分を進化させ、一連の強化パーツの調律を完成させるのである。

2.4リッターエンジンにエアクリーナーやアーシングなどのファインチューニングが行われている。

ハイライトはウイップル製のスーパーチャージャー。マフラーも変更されているため、この時点でもかなりの効果が体感できたという。

エアクリーナーへのエアの導入口をワンオフで作り出した。ボディを切り、メッシュ加工施している。

ミッドチューブをワンオフで製作

 PTクルーザー用の社外品へダースは、ショートチューブと言われるノーマルとさほど変わらないパーツしか販売されておらず、今回の目的はスーパーチャージャーで武装したエンジンの低速域でのピックアップをさらに向上させることであり、ショートチューブでは役不足。あえてミッドチューブをワンオフ製作し、またスーパーチャージャーのプーリーを小型化することで、さらなるエンジンの回転数を稼ぎつつ、その際の追加燃料コントロールをきめ細やかに行うことで、パワーとピックアップの最良を見い出したのである。
 PTクルーザーにはGTというグレードのターボモデルも過去に存在し、筆者は何度も乗っている。ドッカン系ターボでたしかに面白い存在であり、かなりの好意を抱いていた。だが今回乗ったPTには、エンジン全域において「手を加えた感」がにじみ出ており、そのピックアップの素早さと一連のサウンドが非常にアメ車らしく、またブラック系で統一されたエクステリアからは弾丸のような塊感と硬派な存在感が醸し出され、「実用車」からの変わりように、ターボモデル以上の驚きを感じたのだ。とくにエンジンパワーにおいては、ノーマル2.4リッターのトロさを知っているだけにその変貌ぶりには目を見張るものがあった。さらにエンジンだけでなく、ハンドリングやブレーキ、さらにはもともとのボディ剛性の高さも相まって小型スポーティカーとして十分楽しめる存在になっている。


エンジン、吸排気におけるノーマル部分であったエキマニ、いわゆるヘダースと呼ばれる部分が今回の改良点。

上記の写真はエンジンルームから見た画。こちらはボディ下部、後方から見たヘダース。ピックアップが俄然良くなる。

このヘダースから両サイド出しのマフラーに繋がるのである。マフラーもワンオフだ。野太い排気音が特徴。

手を加えた分だけ変わるチューニングの楽しさ

 もちろん、「吊るし」で乗ることに意義を唱えることはないし、ノーマルを大事にしながら長く乗る気持ちも良くわかる。だがアメ車に乗り、手を加えつつ長い年月を愛車とともに過ごすことも一度は経験して欲しい。そして手を入れたことによる「違い」「激変ぶり」を味わってもらいたいと思う。つい先日まで140psにも満たない実用車がホイールスピンを起こすほどパワフルになる…。そういったイジる魅力、変わる楽しさはアメ車ならではだろう。
 このオーナーさんは、すでに6年の歳月をPTと過ごしている。今回の改良により再び魅力を得たことで、また新たなPT生活が始まるのである。


ホイールは横浜AVSの5本スポーク。走りに振ったチューニングカーに良く似合う。

ストップテックの大径ブレーキキャリパーとローターを装着する。増強したエンジンパワーに対応したものだ。

ブラック基調のボディには、カーボンパーツなどがアレンジされている、

ブラックアウトされたレンズ類。これだけでも雰囲気がガラリと変わっている。

上記しているが、向って左側のフロントマスクのみエアの導入口を作っている。

アペックスのEVCでブーストコントロールと追加燃料コントロールを行っている。

さらにHKSの追加メーターでブースト圧をキッチリ管理している。

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