更新日:2024.12.04
文/田中 享(Tanaka Susumu) 写真/ステランティス
ステランティスがピンチである。直近のニュースでCEOの退任が発表され、ちょっと前のニュースでは「ダッジ」「クライスラー」の売却の噂が広まった(結果的には今は売却されず)
我々が直接的に知るステランティスとは、主にダッジ、クライスラー、ジープ、ラムといったところだが、それらすべてにおいて販売の落ち込みが目立っている。
例えばダッジにおいては、2023年でチャレンジャー、チャージャー、そしてクライスラーでは300の生産が終了した。本来であれば、これらの後継モデルの販売が同時に始まり、売り上げを補填するはずだが、上記モデルの後継モデルは販売されず。
すなわち、上記3モデル分の2024年度の販売売り上げや利益がまるまるなくなってしまったのだ。それを他のEV等で補えれば良かったのだが・・・・。
で、2024年後半に発売が予定されていた新型EVチャージャーの発売である。と言ってもまだ正式な発売は始まっていない(すでに現地ではマスコミ向けの試乗会が行われており、それらが12月12日以降に公開されるというから、近い将来の発売が決定的である)。
そして2025年に発売が予定されている新型チャージャーシックスパック。
新型チャージャーにおいては、「デイトナ(電気)」と「シックスパック(ガソリンエンジン)」と区別され、我々の期待は当然シックスパックであるが・・・・。
ちょっと話が逸れるが、2025年1月からトランプ大統領が就任する。彼の公約ではEVシフトを止めるというがいかに?
と同時に彼の就任が決まった今、各メーカーに迷いが生じているはずである。このままEVモデル生産を優先して良いのだろうか? と。少なくとも今後4年はEVシフトの流れが止まるのではないだろうか? と。
そんな中でのチャージャーシックスパックである。
新しいチャージャーは、同じプラットフォームに電気とガソリンモデルが存在するということになるが、このベースとなっているSTLA-Largeプラットフォームは、当初から電気とガソリンの両方に対応するよう設計されていたということで、当初からトランプ大統領の就任を予測していた?
ちなみにシックスパックは、2023年までのチャレンジャー&チャージャーよりも20%ボディ剛性が上がっているという。
そして搭載されるエンジンが、3リッター直6ツインターボで、通称ハリケーンエンジンという。
このエンジンは、当時のV8エンジンに対してパワーで劣らず、それでいて高効率であることを目指して開発されてきた次世代エンジン。すでに現行グランドワゴニアに搭載されている。
この3リッター直6エンジンはツインターボで武装され、マックス510hp超を発生させるが、V8エンジンよりも最大で15%効率が高いと言われている。それでいて500hp以上のパワーを発揮させるのだから現段階においては理想的なエンジンなのだろう。
ちなみにグランドワゴニアに搭載されているスペックは以下のとおり。
■パワー:510hp@5700rpm
■最大トルク:500lb-ft@3500rpm
それをベースにシックスパックでは550hpまでチューンするという。
この期に及んで新規のガソリンエンジン搭載モデルが誕生することに喜びを隠せない。
だが一方で、「2030年までに販売車種の50%を電気自動車にする」と息巻いていたステランティス。GMも同じような目標を立てていたと思うが、トランプ大統領の就任と合わせ、波乱の4年が始まりそうな気配に恐怖すら感じるのである。
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES