90年代以降のシボレータホを語る時、ポイントとなるのが、大きな変化がもたらされた2000年以降についてである。
これまで角形一辺倒だったフルサイズSUVに、見た目の大きな変化がもたらされ、さらにボディや足回りにも大きな変更点が加えられたことで、タホの立ち位置すら変わったと言われている。
たとえば足回り。それ以前の先代から大きく変化したのが「リアのコイルオーバー式5リンクリジッド化」。それまでのトラック然とした乗り味から乗用車的な乗り心地に大きく進化したのである。これは、単純にサスペンション形式を変えただけでなく、アーム類を長くしてショックの容量を大きくとることで、懐の深い足回りに仕上げられたということ。つまり、それまでのピックアップベースから「SUV」というカテゴリーを独立させるための「差別化」が狙いであり、足回りの構造から乗り味までをトータルで変える必要性を、メーカー側が考慮した結果だと思われる。
一方、フロントはそれまでのコイルオーバー式をやめ、2駆にもトーションバーを採用したのがポイント。これはアメリカ的合理主義によるものだろうが、逆にトーションバーはバネ下重量に入らないため、バネ下重量の軽減に寄与している。またブレーキキャリパーがアルミ製となっている点からも、バネ下重量軽減をかなり意識した設計となっていることを意味し、それがもたらす乗り心地やハンドリング、走行性能の向上などがタホのキーワードとなる。
余談だが、2000年以降のタホはエンジンもアルミ化、小型化されたことでフロント荷重が軽くなっただけでなく、搭載位置を下方にズラすことで重心位置が低くなり、旋回性能が随分と向上している。ストローク感のある足回りとの相性も良く、そういった点からもドライバビリティの向上に重点をおいた車両開発が行なわれたと考えられる。ただし!
乗りやすさ、走行性能面で大きく進化したタホだが、ひとつだけそれ以前のモデルに敵わない部分がある。それが牽引能力。トレーラーなどを引っ張るには、やはりリーフリジッドの方がマッチするというのだ。実際には、トレーラー牽引や過積載運搬はピックアップ部門に任せて、乗り心地やラグジュアリー性を本気で追求し始めたのが、この時代以降のタホなのである。
2000年に登場したこの型のタホは、2006年まで製産され2007年にモデルチェンジしている。中古車市場では今、意外にも人気が高いというが、アメ車特有の質実剛健的な雰囲気がきっと好まれているのだろう。
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