1997から2004年まで存在していたC5コルベット。かりに最終モデルを手にいれたとしてもすでに8年落ち(初期型なら15年落ち)となる中古車アメ車をお勧めする理由とは?
それは、「リトラクタブルヘッドライトがいい」なんて単純なものじゃありません(もちろんそういったデザイン性の良さも理由のひとつではありますが)。
説明しましょう。C5をお勧めする理由、まずはかなり安価であるということ。もはや中古車しかないから当たり前といえば当たり前なのだが、C6よりも【少し】落ちるレベルの性能がありながらも、かなり安いとなればお勧めしないわけにはいかない。
そして非常に耐久性があるということ。C4等と比較しても比較し切れないほどの信頼性があがり(まったく壊れない)、メンテナンスは普通に乗っている限り(サーキットとかを頻繁に走るクルマでなければ)においては、それこそ普通にオイル交換と定期点検だけで乗り切れる。
弊社にもシルバーのC5があるが、すでに13万キロ以上を走破し、いまだ元気に日本全国を走り回っている。C5コルベットなら、まだまだ日常の足になるのである! もちろん個体差もあるから一概にすべての中古C5が安全だなんていうつもりはないが、個体を見極めれば、まだまだ十分に乗れるものがある。
さらに世界的名車の資質を備えなているということ。スポーツカーには、「雰囲気」だけでなく、実際の性能が伴わないといけないが、その運動性能の素質を決める要素は、車両パッケージングによる重量配分やトラクションを稼ぐために重い要素をどこに置くかといったこだわりの設計にある。
そういった意味でもC5コルベットは革新的である。エンジンの搭載位置を前車軸よりも後ろまで下げた、いわゆるフロント・ミッドシップを実現し、あわせてトランスミッションを後輪側に配置しデフと一体に置いたトランスアクスルを採用することで、車両重量配分は空車で51対49。ドライバーが乗るとちょうど50対50になる設計になっている。
下から見るとそのこだわりと他では滅多に見られない力作であるということがよく分かる。C5コルベットをリフトに載せ下回りを見ると、その造り込みの凄さに驚きを感じる。トランスアクスル方式がよく分かり、フロアがほぼ水平なのには言葉が出ないほど感動するのである。
重心が低く採れるというスポーツカーにとって重要なファクターを満たすためにOHVエンジンを採用し(ル・マンカーでさえもOHV)、バネ下重量軽減と横剛性向上を両立させる横置きリーフのサスペンションや軽量化に寄与するフレーム式シャシー構造など、コルベットには当時のGMが考えるスポーツカーの理想を実現するためのエンジニアリングがどん欲に盛り込まれているのだ(アメ車の中でもこういった蘊蓄を述べられるクルマもそうはない)。
エンジン以外のほとんど全てを専用部品で起こしているというその執念ひとつ取りあげても、イマドキ、C5コルベットよりもお手軽に造られるスポーツカーはいくらでもある。下からC5を見ると、そいつがよく理解でき、尊敬せずにはいられなくなる。
もちろんC6コルベットは、正直C5よりもさらに一段と良くなっているから、両者を比較すれば明らかにC6の方が上であるが、C5でもまだまだ十分に現役で通用するほどの性能は有しているし、C4からC5へとの進化におけるエンジニアの情熱の方が実は凄まじかったのである(そのC5をベースにしたC6が良いのは当然のことだ)。
そういった歴史的名車に乗る機会はもう来ないかもしれない…。
当たり前だが、中古車での購入を考えた場合、事故車は絶対にダメである。また、購入後に長く乗るつもりならカスタムカーも避けた方がいい。できればフルノーマルがベスト。これだけ精密に造られているマシンだからこそ、改造におけるバランス崩壊は免れない(かもしれない)。だからこそ、中古車を買う場合は、フルノーマルを手に入れ、カスタムしたければ購入後に自己責任にて行うのがいいだろう。
そういう意味でもこのウエストクラブのC5は、初期型の15年落ちとはいうものの、8万5000キロ走行のフルノーマル(しかも純正マグネシウムホイール付き!)という、格段にお勧めな1台となるのである。
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