C7コルベットには新開発のLT1型6.2リッターV8エンジンが搭載されている。GMが『第五世代』とするこのスモールブロックユニットのスペックは、スタンダードのクーペとスポーツ仕様のZ51とで微妙に違う。それぞれの詳細は下記の通り。
【LT1型(クーペ AT)】
最高出力/460ps(339kW)/6000rpm
最大トルク/63.6kg-m(624N-m)/4600rpm
種類/水冷V型8気筒OHV
総排気量/6153cc
内径×行程/103.2mm×92.0mm
圧縮比/11.5
過給機/なし
燃料供給装置/電子式燃料噴射(筒内直接噴射)
燃料タンク容量/70リットル
使用燃料/無鉛プレミアムガソリン
【LT1型(Z51 MT)】
最高出力/466ps(343kW)/6000rpm
最大トルク/64.2kg-m(630N-m)/4600rpm
種類/水冷V型8気筒OHV
総排気量/6153cc
内径×行程/103.2mm×92.0mm
圧縮比/11.5
過給機/なし
燃料供給装置/電子式燃料噴射(筒内直接噴射)
燃料タンク容量/70リットル
使用燃料/無鉛プレミアムガソリン
クーペとZ51のスペック的な違いは、最高出力で6ps、最大トルクで0.6kg-mのみ。一見すると大した違いはない様に感じるが、『ドライサンプ・システム』や『パフォーマンス・エキゾースト・システム』など、上記の項目にない要素の違いにより、両車の実力とフィーリングはかなり違う。
ただ、今回はC7とC6の比較を主題としているので、ここでは特に言及がない限りは基本的にクーペに搭載されている素のLT1型ユニットを元に話を進めたいと思う。
C7コルベットに搭載されているエンジンには『LT1』という型式名が与えられているが、このLT1という名称が付くエンジンはGMの歴史の中で3回目となる。1回目はC3の時代である1970年に導入。2回目はC4の時代の1992年に導入されており、いずれもその時代のGM製V8スモールブロックエンジンとしては最強を誇ったユニットであったが、3つの時代のLT1には何ら関連性はない。強いて言えば「高性能なスモールブロックエンジン」という程度である。
何時の時代でもコルベットにはGMの最新技術が投入されるが、今回のLT1型6.2リッターV8エンジンにも数々の「GM(シボレー)初」の先端技術が取り入れられている。『直接燃料噴射システム』『アクティブ・フューエル・マネジメント』『無段階可変バルブタイミングシステム』などがそれに当るが、実はこれらの先進技術はパワーだけでなく『高燃費』を実現するために採用されたもので、C7は歴代コルベット随一の高燃費を実現している。
C7の燃費データとしてひとつ上げると、EPA(アメリカ合衆国環境保護庁)に提出されたハイウェイでの燃費が『8.1L/100km』とある。これは100kmを走るのにどれだけの燃料を消費するか?という数値であり、日本の一般的な燃費の表記に直せば12.3km/1Lとなる。これはあくまでもEPAのハイウェイでの計測データであり、実路燃費やユーザー燃費とは異なるが、C7がコルベット史上最高レベルのパワーと燃費を両立させているのは間違いない。
例え生粋のスポーツカーであっても『エコ(ロジー)』を無視出来ないご時世である事が大きく影響しているとはいえ、C7に搭載されるLT1がパワーと燃費(とエミッションの抑制)を両立させる事に成功した高性能ユニットである事は確かだし、評価されるべきポイントであると思う。
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