更新日:2016.03.24
文/椙内洋輔 写真/リンカーン
ニューヨークオートショーにてビッグサプライズが待ち受けていた。事前になんら情報のなかったリンカーンからナビゲーターのコンセプトモデルが発表されたのである。
でもコンセプトでしょ? と思うかもしれない。どうせどんがらでしょ? とも聞こえてきそうだが、実際には否。単なるガワだけのコンセプトと思いきや、意外にもありそうな、じつにシッカリとしたコンセプトモデルだったのである。
驚き、まずその1。これまでのリンカーンナビゲーターのイメージを根底から覆すデザインの刷新。フロントマスクの造形は、すでに発表&発売が予定されているリンカーンコンチネンタルからの派生である。
その2。コンセプトモデルはまさかのガルウイング仕様となっており、ナビゲーターファンをあっと驚かせる最高のコンセプトモデルだった。
ちなみに、リンカーン首脳陣いわく、「ガルウイングはあくまでコンセプトモデル仕様。サイドステップを介してアクセス可能な広大な室内空間を強調するための手法であって、市販モデルには採用しません」とのこと。
また現状でのコンセプトであり、だからコンチネンタル風マスクもこの先どうなるか不明という。
ただ、現時点でかなりの完成度を有していることと、既存のSUVでガルウイングを採用しているモデルがないことが、この先市販モデルへの採用に繋がる可能性は大いに残していると言えるだろう。
デザインに関しては、コンチネンタルの派生という流れは大いにあると推測される(ブランドスタイルの確立として)。
一方インテリアは、リンカーンテイストと近未来的なシンプルな造形、さらにレザーで覆われたクールビューティなテイストがもたらされ、全席ホールド良好なシートやエンターテイメントシステム、さらにリアにはカスタムワードローブといったオリジナルテイストが存分に発揮された収納等、独自性あふれる魅力的な仕様となっている。
コンセプトモデルだからといって、奇抜な発想が与えられるというよりは、実際にありそうなスタイルや造形等で作られていることが、非常に魅力的である。
また、歩行者検知アシストや車線維持システム、360度ビューカメラ等、最新の安全装備に守られているのは言うまでもない。
このコンセプトモデルに搭載されるエンジンは3.5リッターV6エコブーストツインターボエンジンで400hpを発生させるというが、これも新型では注目になるだろう。10速ATの搭載はあるのか?
最後に。詳細はなかったが、気になる新ナビゲーターのボディフレームである。ベースとなるフォードF150がアルミボディとなっていることから、次世代フォードエクスペディションおよびナビゲーターにもアルミボディの採用が予測されるが、果たしてどうなるのか?
まあそれでも、このコンセプトを見る限り、新しいアメリカンSUVの魅力を世界的に知らしめてくれるだけの最高のモデルが登場するに違いないと、期待は高まるばかりである。
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