もしあなたがこういったチューンドカーに“アメ車らしさ”を求めるなら、このSMS570チャレンジャーはかならずや満足させてくれるはずだ。
横長のグリル、グラマラスなボディライン、それにこの手のクルマではあり得ないほど長いリアのオーバーハング…、それらはまさにオールドスクールなアメリカンスタイルに他ならない。
そしてエンジンに火を入れれば、さらにその満足度は高まる。ステアリングに対するソリッド過ぎないボディの動き、眼下に広がるエンジンフード、それに野太いエンジンサウンドとエキゾーストノートが期待通りアメリカンしているのだ。いうなれば、現代車両を70年代のレーシングカー風にチューンしたといったところだろうか。いわゆる五感に訴えかける感動マシンなのだ。なので、運転しているとなぜか口元が緩んでしまう。昔ビデオで観た憧れのアメ車の雰囲気がビシビシと感じられるのだ。
ちなみに、シェルビーGT500もいわゆるチューンドカーだが、あちらは現代車両をベースに現代的なチューンを施している。良い意味で古典的なフィーリングをもたらす570とは、そこが明らかに違う点である。
ところで、SMSはスティーブMサリーンの略であることをご存知だろうか。彼がサリーン社を去り、新たにこの会社を立ち上げた。目的は……、きっとフォードだけにしばられずダッジやシボレーのクルマにもチャレンジしたかったからだろう。
余談だがSMS570はチャレンジャーベースだが、SMS302はマスタング、SMS620はカマロベースとなる。
SMS570のエンジンはこれまたお馴染みの5.7リッターV8HEMIとなり、それをスーパーチャージドする。マックスパワーは500hp。ちなみに、570Xと呼ばれる上級モデルには、それをスープアップした6.4リッターV8HEMIが過給されることで、パワーはなんと700hpに達する。もはや尋常でない数値であることは、いわずもがなだ。
それはともかく、SMS570チャレンジャーにはさらに楽しくなる演出が施されている。それはボンネットに装備されたエアファンネルだ。左右4個ずつのバタフライがアクセルに連動し開いたり閉じたりするから感動する。まさに、男子の憧れがそこにあるといっていいだろう。個人的には色気のないエンジンカバーを強化アクリルを通して見せるコルベットZR1のエンジンフードよりずっと好感が持てる。どうせやるなら、この方がアメ車らしい。
ただ、それと同時に視覚的に惜しい部分もある。例えばシェルビーGT500のインテリアはそれなりに工夫されていてドライバーを挑発させるのだが、このクルマのスイッチ類はじつに味気ない。300Cでも指摘されたインテリアのデザインがそのままスライドされている感じだ。もう少し色気のあるデザインにはできなかったのだろうか……。
それでもやはりこのクルマはよくぞ生まれたと感心する。アメ車のスピリッツを色濃く残しているし、歴史に残る1台であることは間違いないだろう。
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