往年のダッジチャージャーと聞いてパっと思い付くのが68年や69年の超男臭いマシン。映画等で主人公に対する悪役、もしくはダークサイドなヒーローの愛車として取り上げられることが多いクルマである。
だから、日本でもこの年代周辺のチャージャー人気は高く、当然アメリカでの評価も高く、しかも旧車価格がどんどん高騰していることも影響し、おいそれと手が出せるクルマではなくなった。
だが、こうしたマッスルカーとしての評価軸を持たない人間にとっては、あくまでチャージャーはチャージャーであって、旧車としての価値よりもそのデザインや歴史的な背景に興味を持つ。個人的には、ちょっと落ちぶれた時代のクルマにこそ、ものすごい興味を抱いたりする。
アメ車で言えば、オイルショック前後で車両の評価が180度変わってしまうのだろうが、そこまでアホみたいにパワーにこだわる必要はないと思っている。なんせアメ車には素晴らしいデザインがあるわけだから。
だから超メジャーな年式のマッスルカーはもちろん素晴らしいとは思うが、なんかこれみよがし感が強すぎて、ちょっと笑えちゃう。それよりも落ちぶれた年代の中から光る原石的なマシンを見つけ、知る人ぞ知る的な乗り方をしている人の方に断然惹かれたりする。
服でも、「今年は赤が流行る」から赤を着ていたり、フリースなんか好きじゃないのに流行に乗って着ていたりするのが大嫌いで、「もっと自分を出せよ」と思ってしまう…。
だから旧車の醍醐味とは、他人の評価ではなく、己の評価こそが大切であり、当然ながら「いかに楽しむか」の方が断然大切だと思うのである。
なので華やかかつハイパワーなマシンが揃うBCDにてこの73年型チャージャーSEを見た瞬間、一瞬頭の中に「???」が。その二分後にはすべて理解したのだが、こうした柔軟性こそがBCDの人気の理由なのだろうと感心したのである。
73年型チャージャーSEといえば、チャージャー凋落の時代の産物であって、日本ではほとんど名を聞かないはずだ。メインは上記の68、69といった年代のマシンであって、売る側もその方が売れるだろうから、モノはそこに集中するわけである。
だから73チャージャーと聞いた時の「なぜ?」とはそういう理由であったのだが、個体をしばらく眺めているとその驚くべきコンディションとデザイン的な魅力に、あえてこのチャージャーを輸入した理由がわかったのである。
ミリタリーグリーンとも言えそうな絶妙なカラーリングのボディに、濃いグリーンのバイナルトップとのツートーンボディ。インテリアも同様にグリーン系カラーとウッドを使用したシンプル形状。
豪華さとは無縁の内装だが、カラーリングを含めたセンスの良さはアメ車ならではであり、何より全体を通してグリーン基調のアーミーテイスト満載な雰囲気に、瞬時に魅力を感じたのである。
しかもどの部分においてもコンディションの良さが保たれており、これほどの状態の73年型SEが日本において見られるのは、BCDにおいてしかないだろう。
このマシンに搭載されるエンジンは、318cuin=5.2リッターV8。当時のカタログスペックでは150hp、最大トルク255lb-ftを発生させ、3速ATと組み合わされる。
ボディデザインは、1971年から1974年までの第三世代に共通するものであり、4連ヘッドライトとスプリットグリルが特徴の2ドアハードトップ。フロントマスクのデザインや横から見た時のスタイルにアメリカ的デザインの大いなる魅力を感じるのである。
パっと見どころか、ジックリ見ても驚くべきコンディションのチャージャーSE。
こうしたグリーンを基調とするカラーコンビネーションがとにかく素敵だし、もちろん歴史的にはオイルショック後のマシンだけにマッスルカーと呼べるだけのパワーはないが、それを補って余りあるほどの洗練されたデザインとコンディションの良さが、この車両に興味を持った方々のほとんどを虜にすると思うのである。
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