1999年に登場した初代。2001年に登場の2代目、そして2007年にフルモデルチェンジでデビューの3代目。ちなみに4代目は2015年、5代目が2021年デビューとなっている。
そんな3代目の2007年モデルを取材。この個体はガレージダイバンがデビュー当時に新車を直輸入し茨城のオーナーさんに納めたもの。
その方は農家であるらしいのだが、トラクターを仕舞う保管庫に同時にエスカレードも駐車していたということであり、すなわち屋内駐車ということでボディの色艶がまったく衰えていないのが嬉しい。
聞けば走行距離は1万8814キロ。2007年型で約1.9万キロの個体ということだから、ざっと計算して年1500キロも走っていない!
しかも車内足元に敷かれているフロアマットはまだ新品時のビニールで包まれたままの状態であり、後に触れるが、車内にはまだ「新車の香り」といわんばかりのレザーのいい匂いが残っていた。
ダイバンが直輸入し、ダイバンの管理ユーザーだけあって上記の数字は実数というから、素晴らしい。
さらに車外をひと回りし、カスタマイズ箇所を聞けば、外装はフロントグリルとヘッドライトにHIDを使用しているのみ。で、インテリアではセンターコンソールに後付けナビを装着するための社外コンソール(ipod装着可)に換装し、リアにフリップダウンのモニターを装備したのみ。以上コレだけ!
さすがにいろいろ取材しているが、こんなエスカレードは初めてであった。が、念のためカーセンサーで探ってみたが、同じ2007年の新車並行車で4.4万キロという個体はあったものの、さすがに2万キロ未満の個体は皆無。
そのほか、この年代に近い車両でも、だいたい7万から10万キロ走行が一般的で、ホイールに社外の22や24インチを履いている車両が断然多かった。
ちなみに、大径ホイールを履くことを筆者は悪いとは思っていない。だが、中古車買う側の視点で考えれば、履いていない方がヤレが少ないのは間違いないから、そういう個体をチョイスする方の気持ちがわかるし、逆に、後で交換するよりも最初から大径を履いているモノを買いたい、という方の気持ちもわかる。
ただ、カスタマイズの内容よりもできるだけ「いい状態の個体」を入手したいのであれば、ノーマルに近い状態の個体、さらに走行距離の少ない車両の方がその可能性は断然高まるというのが、これまでの20年以上の経験から得た鉄則みたいなものである。
だが。これまた余談だが、アメ車の場合、こういった年式の経った車両の低走行車の極上個体というのにはほとんど出会ったことがない。
たとえばベンツやフェラーリ、ポルシェ等にはこうしたある意味お宝車両的な個体が時としてあるが、アメ車の場合は2002年で1万キロちょいのバイパーや2005年型で1万キロ未満のフォードGTくらいだった(出会ってないだけで存在しているに違いないが)。
だからこのエスカレードを見たときは、瞬間的に「いいかも」と思えたのは事実である。ということで、同社の営業・吉川さんと一緒に近隣を試乗した。
上記したとおり、車内は新車時の香りが残っており、レザーシートにもそれほど使用感がないから、本当に驚きである。
しかも走り出せば、13年前の車両とは思えないほどシッカリしているし、足回り等がノーマルであるから、ミシミシガタガタといった異音騒音の類も皆無であり、感心することばかりであってあっという間に周回を終えた。
吉川さんいわく「まったく普通に走りますし、経年劣化のガタをほとんど感じません。こんなエスカレードがまだあったのか、といった車両だと思います」
たしかにその通りだと思うし、運転して感動すら覚えた。だが、すでに13年前の車両。走行距離は短いと言っても中古車に変わりはない。だから走り出せば、しばらくして消耗品の劣化がちょこちょこ出てくることが想像されるから、そういった部分をシッカリ交換すれば今後10万キロ、いや20万キロだって走れるだけの潜在能力がこの個体には備わっていると思う。
それともうひとつ。恐く、ここが購入への最大の難所となるのだろう部分が、3代目という年式である。あえて「3代目が欲しい」という方なら間違いなく瞬殺されるであろう個体だし、そうじゃない方にとっては「ちょっと古いかなあ」となるはず。
ただ、たとえばエンジンひとつとっても基本4代目や5代目と同機だし(もちろん進化しているのだろうが基本ベースは同じ)、そういった高年式車両は中古車であっても700~1000万円くらいするし、5代目の新車となれば1800万円~2000万円あたりになるのだろうから、「いい状態の中古個体を買いたい」と思うならば、歴代モデルと比較し若干インテリアの華やかさに劣る3代目だが、中古車価格338万円のエスカレード、しかも走行1.9万キロ+ほぼノーマル状態という今回の個体の優先価値は、自然と高まると思うのである。
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