近年のチャレンジャーにおける販売の中心はV8系であるから、直近モデルのV6系中古車はかなり少ない。V6には「GT」と呼ばれる4駆モデルがあったりして非常に個性的なモデルがあるのだが、コロナ禍だったこともあり、V6モデルを積極的に仕入れるショップはほとんどない。
だからV6モデルを探すとなると2015年以前の、いわゆる前期モデルと呼ばれる年式の個体に集中する。今回取材した個体もまさにそう。2012年型だった。
ちなみに、全くの余談だが、いま現在、超まともな中古車個体、主にV8系モデルを購入しようとすれば500万円後半から600万円代、392ともなれば、700万円から800万円程度の金額が必要になる。
だから、そう言った金額が出せる方々には全く問題ない話だが、もし「そこまでは出せない。けれどチャレンジャーに乗りたい」と思うのであれば、前期型モデルのV8、もしくはV6という選択肢が視野に入る。
▲2008年に登場した現行型ダッジチャレンジャーは、2015年にモデルチェンジし、そこを境に前期型、後期型と記されるようになった。
▲2012年型のSXT。ホイール、車高、マフラーと手が加わっているが、決して下品にならず、品良くまとまっている。また、この前期型のリアテールもいい感じ。
そんな方々に送る個体が2012年型V6モデルのチャレンジャーSXTである。走行距離約2.5万キロ、価格は398万円。
ちょっと前に、チャレンジャーを大人っぽく乗るオーナーさんに出会って以来、メタリック系のボディカラーに惹かれ、ストライプ等もいらないと思っているから、個人的に好ましい超シンプルな個体。ガンメタリックのボディにブラックホイール。
しかも、前期型のチャレンジャーは「V8」と「V6」とでは、ボディの違いがほとんどないから、(旧時代のマスタングみたいに差別化されていない)V6でもまったく引け目を感じないし、気にならない。
だから乗ってみて満足すれば、それこそ最強V8なんぞに数百万円多く払わなくともご機嫌なチャレンジャーライフを送ることは可能だろうし、その、安く済んだ分でメンテナンスし、またはホイール等を換えたりしてオリジナリティを出すことも可能だろう。
なのでこの個体の場合、問題となるのはV6エンジンのフィーリングとハンドリングであってボディスタイリングの評価はまったく必要ないのが嬉しい。
ちなみに今回試乗したアベカーズのV6モデルは、すでに若干のローダウンに20インチホイール、マグナフローマフラーが装着されていたが、まさしくそれだけでも十分な変化と迫力を備えていた。
▲搭載されるエンジンは、3.6リッターV6ペンタスター。305hp、最大トルク268lb-ftを発生させる。それ以前に搭載されていた3.5リッターV6よりも50hp以上のパワーアップがなされている。
▲現代の最新チャレンジャーよりも劣る部分があるとすればインテリアだろうか。とはいえ、これはこれでまとまっており、ホワイトメーター等の雰囲気の良さは十分に味わえる。
▲全体の質感はシンプルではあるが、悪くない。手前に見えるパドルシフトも使いこなせる。
久しぶりのV6モデルに「どんなもんだったか。今やぜんぜん走らないのかも」なんて事前の予測は立てていたが、実際に乗るとそんな心配はまったくの杞憂。良い意味での驚きの連続だった。
まず、思いのほかボディがシッカリしているし、動き出しが軽い。後に調べてみたが、V6モデルの車重は、当時の「392」よりも約160キロも車重が軽いのだ。
そして街中走行では至って普通にパワフル。もちろん圧倒的なパワー感はないが、手の中に収まる感じがいい。少なくとも筆者のレベルに見合ったパワー感だったし(それでも300hpあるわけだし、パワー不足なんてことはまったくない)、余力はないかもしれないが、逆に使い切れる楽しさを与えてくれる。
しかも装着されているマグナフローマフラーが絶品。まさしく快音。これ、V6オーナーさんはつけた方が絶対にいい。めちゃくちゃく楽しい!
アクセルを踏み込んだ時の高揚感が一段と増しており、それでいて扱える感じのパワー感だから、非常に楽しいし気持ちいい。
▲この年代のV6エンジンに組み合わされるミッションは5速AT。現行は8速ATであるから、その差分の燃費等の違いはあるだろうが、305hpのエンジンに5速ATのマッチングも悪くないし気にならない。
▲シートは硬質な張りのあるレザーシート。ヤレも少なく乗り心地は絶品。
もちろん、V8にはV8の良さがあり、例えば高速道路等では圧倒的に速いだろうし、リアルV8サウンドも心地よいだろう。
だが、そういったスピードに対する興味がなく、チャレンジャーのスタイルと街中での楽しさみたいないものがあればいい、という思いであれば、V6モデルこそオススメ。
チャレンジャーとはこのデザインあってこそなわけで、逆に言えば、乗る本人さえ構わなければパワーユニットにはこだわらなくてもいいのかもしれない(筆者もその一人)。V6を選んでも、性能的には後悔はしないはずだし。
もっと言えば「アメ車=V8」という呪縛にとらわれる時代ではないだろうし、個人的には、直近の現行モデルにおいてもV6モデルがもっと輸入されれば一層売れ、チャレンジャーオーナーの裾野をより広げるとさえ思っている。
ちなみに、この個体を販売しているアベカーズは、「ワイテック2.0」と呼ばれるFCA車両用の電子デバイスを所有し使いこなすことが可能であるから、車両整備等で困ることは全くない。
今やそういったメンテナンス作業をすっ飛ばして車両販売を続けている店があるが、そういった店舗とは確実に異なるだけに、この個体の状態もかなりのレベルで維持されている。
ということで、スピードよりもチャレンジャーのスタイルとストリートの楽しさを求めるという方に、積極的にオススメしたいV6モデルの試乗であった。
▲すでにローダウンされている足回りは適度な硬さで乗り心地の悪化はさほど感じない。タイヤは245/45ZR20インチ。
▲マグナフローの社外マフラーはメイドインUSA製でそのサウンドも絶品。高回転まで踏み込んだ時の快音はクセになる。
▲305hpはあるから、V6とはいえ遅いなんてことは全くない。だから、あえて「V6」を積極的にチョイスしても得られる楽しさは十分にある。
19,404円
PERFORMANCE
6DEGREES
19,998円
PERFORMANCE
6DEGREES
3,480円
MAINTENANCE
GDファクトリー千葉店
48,070円
EXTERIOR
6DEGREES