現行型のトヨタタンドラは2007年に登場。そしてそれから7年後の2014年にマイナーチェンジ。その後は若干の変更や安全装備の充実を果たしつつ新型モデルへバトンタッチ。日本で爆発的人気をもたらした旧型モデルは、なんと14年にも渡る長期のモデルライフであった。
そして新型モデルであるが、これまでずっとモデルチェンジが期待されていたものの、2021年4月までその情報の欠片すらなかったのだ。
ところが2021年5月18日に一変する。USトヨタが一枚のティーザー写真を公開。そして4か月後の9月末、ついに新型モデルが正式発表された。
だが、発表直後から世界が再びコロナ禍に陥り半導体云々で生産台数が限られるなか、最新車両がベルエアーによって日本に上陸した。
新型モデルのデザインコンセプトは、「テクニカルマッスル」。ピックアップとしてのアウトドアスタイルを維持しながら、モダンなデザインと機能を組み合わせた最新仕様である。
で、実車は、一目で圧倒される。顔の迫力が真っ先に伝わってくるし、最新のトヨタ車であることもわかる。そして何より、一瞬にして旧型タンドラを過去のものと思わせるほど洗練されていることが伝わってくる。
旧型は14年前の基本構成をリファインしながら昨年まで生産されたわけだから致し方ない部分もあるだろう。だが、新型は想像以上の変化、特にボディラインとインテリアの変化は圧倒的である。
くわえてデカイ。先代比で10センチ程度全長が伸びていることもあり、その迫力は相当なものであるし、相変わらず広いクルーマックスも健在であり、大人4人が超快適に過ごせてしまうだけの空間が用意されている。プラスして荷台があるわけだから、デカイのは当たり前だろうしアメリカ人が好むのもよくわかる。
と同時に、搭載されるエンジンもこれまた激変している。
旧型に搭載されたエンジンは、5.7リッターV8エンジンで381hp、最大トルク401lb−ftを発生させたが、新型は3.5リッターV6ツインターボエンジンに変化している。389hp、最大トルク479lb−ftを発生させるから、ざっと8hp、最大トルク78lb−ftアップしている。
組み合わされるミッションも6速から10速ATに変化しているから排気量を落としターボで過給、多段化ミッションとの組み合わせで動力性能を維持つつ実用燃費を確実に向上させているのだろう。実際にはパワー自体も若干上昇しているわけだから、V8からV6ツインターボに変わったからといって、嘆く必要は全くないのかもしれない。
また最大牽引能力も格段に向上しており、最大で12000ポンド。約5400キロということである。
ちなみに、現行法では直輸入が不可能であるから知る必要もないかもしれないが、実は今回のフルモデルチェンジの最大のトピックスは「i-FORCEMAX」と呼ばれるハイブリッドシステムである。
要するに3.5リッターV6ツインターボエンジンにモーターが追加され、437hp、最大トルク583lb-ftを発生させる。ガソリンエンジン比で、48hp、最大トルク104lb-ftの性能アップ。しかも、583lb-ftの最大トルクを2400rpmという低回転で発生させるのが特徴である。
このハイブリッドモデルにも10速ATが組み合わされ、エンジンの始動、EV駆動、電気アシスト、エネルギー回生等が行われる。
新型モデルではボディが一段と強固になり、ボックス型スチールラダーフレームも高強度が保たれ、強化アルミニウムベッド、さらにシャシーも改善され、新開発のマルチリンク式のリアサスが採用される等、走行性能が格段に向上している。
車体には、ダブルキャブ、クルーキャブが用意され、グレードは「SR」、「SR5」、「リミテッド」、「プラチナム」、「1794」、「TRD Pro」となる。
ただし、「TRD Pro」はハイブリッドのみ搭載(だから直輸入は不可)。その他は3.5リッターV6ツインターボエンジンがベースで、オプションでハイブリッドモデルもセレクト可能である。
一方、インテリアも全面改訂が行われ、全く新しいマルチメディアシステムが搭載される。まず、センターコンソールには8インチのディスプレイが装備され、使い勝手が大幅に向上している。
オプションではトヨタ史上最大の14インチディスプレイの装着も可能であり(リミテッド以上は標準装備)、これまでとの見た目の違いが一目瞭然。プラスして全体的にスイッチ類が大きく、タッチのしやすさや質感の向上にも繋がり、この点においても新型が格段に勝っていると判断できる。
新型モデルでは、トヨタセーフティセンス2.5とスターセーフティシステムが標準で全車装備され、各安全装備とも格段の強化がなされているのはさすがトヨタ。日本でもこの安全装備による恩恵を当然受けることが可能だから安全性は高いと言えるだろう。
さて、ベルエアーにより直輸入されたグレードは「SR5」。ボディカラーはホワイトだが、じきにグリーンの「SR5」も到着する予定である。
取材個体にはオプションであるTRDのオフロードサスペンションが装備されており走行性能の向上がもたらされているし、上級豪華グレードではないものの、十分に見応えある質感とともにタンドラが味わえるだろう。
ちなみに本国では、現状好みのグレードとオプションを装備した車両が選べる状態ではなく、限られた個体の中からチョイスするレベルというから、まだまだ新型タンドラの人気と生産とのバランスが取れていないのだろう。
ベルエアーは、タンドラ旧モデル時代から積極的に新車を直輸入しており、シエナ、セコイア、タコマ、ハイランダーetcの新車も手がけている実績とともに、今後も新型タンドラを随時入荷させていくというから期待したい。
なお、新型デビューに伴い、ベルエアーにあった「V8エンジン搭載の旧モデルの在庫車が全て売れてしまった」ということであるから、旧型モデルの引き合いも同時に増えており、旧モデルの新古車的存在も今後入荷させるということである。
ということで新型タンドラ、14年分の進化によって格段に良くなっているのは間違いないが、きっとこの先「V8か新型か」で悩む方も多いのではないだろうか。いずれにせよタンドラは今もなお人気車であるということである。
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