TEST RIDE

[試乗記]

本国ディーラーオプションのオープンモデル

2022 ダッジチャレンジャー R/Tスキャットパック ワイドボディ コンバーチブル

最後の最後に登場した現代版チャレンジャーの理想形

生産終了の決定後にデビューが決まったコンバーチブル。日本上陸モデルを取材した。

更新日:2024.06.03

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/ベルエアー TEL 0436-26-5700 [ホームページ] [詳細情報]

今までなかったのが不思議なくらいカッコイイ

 現代版ダッジチャレンジャーは、箱型ボディのマッスルカーであり、ライバルはマスタングやカマロというのは誰もが知っているだろう。

 だが、そのライバルたるマスタングやカマロにコンバーチブルが存在し、もっと言えば現代版チャレンジャーのベースとなった70年代チャレンジャーにもコンバーチブルが存在したにもかかわらず、なぜ現代版チャレンジャーには存在しないのか、を知っている方は非常に少ないと思う。

 恐らくだが、現代版チャレンジャーのヘルキャットこそが最も象徴的な存在であり、その理想を「パワー」に求めて行ったからではないか、と筆者は考えている。だからこその「デーモン」であったのだろう。

 もしくは、現代版チャレンジャーにコンバーチブルを作ってしまえば、あまりのカッコ良さにユーザーが割れるだろうと考えたのかもしれない。

▲2022年型R/Tスキャットパックワイドボディのコンバーチブル。もちろん新車。

▲フロントリアともに抜群のカッコよさを示す。

▲幌の作りは非常に頑強かつ質の高いもの。他のメーカーコンバーチブルと大差なレベル。

▲日本の気候においても十分な耐候性を発揮するだろう。

 そう、現代版チャレンジャーのコンバーチブルは「名作」だと思う。なんなら現代版チャレンジャーの理想形と言ってもいい。

 たとえばマスタングのコンバーチブルがあるが、マスタングだと、全長に対する全幅サイズの幅が狭いから全体的に細長い印象が強くなる。だから運転はしやすいが、見た目の迫力が若干足りない。

 だがチャレンジャーだと、ボディ全長および全幅のサイズ感のバランスが絶妙であり、加えてフロントウインドーの傾斜角とサイズが抜群であり、それらすべてが渾然一体となった理想に近い(迫力のあるアメリカ的)コンバーチブルスタイルを作り出している。

 プラスして見慣れた感のある現代版チャレンジャーとは全く異なる「色気」を発していることにも気づくのである。

 というか、さすがはコンバーチブル好きの国である。あのポルシェ(ボディ剛性が金庫のようなスポーティの塊をあえて屋根無しで)でさえコンバーチブルの方が売れていたというのだから余程の屋根なし好きなのだろう。

▲搭載されるエンジンは6.4リッターV8で465hpを発生させるから、パワーは十分。

▲本来はめ殺しになっているリアサイドウインドーは開閉が可能になっている。

▲ルーフを開くときはまずリアサイドウインドーを下すことから始める。

▲幌のリアウインドーは熱線入りのガラスウインドー。

 さて、現代版チャレンジャーのコンバーチブルであるが、これは正規のコンバーチブル。2022年前半にステランティスからダッジチャレンジャーの生産終了が発表されたが、その時同時に発表されたのが、「ラストコール」と呼ばれる7台の限定モデルとコンバーチブルの登場である。

 で、具体的には本国ダッジのHPにて現地の人々が2022年からオーダー可能になっており、まずコンバーチブルのベース車両を選ぶ。するとそのベース車両がディーラーからドロップトップカスタムズと呼ばれるコーチビルダーに送られ製作が開始される。

 まずコンバーチブル化にともなって、ルーフが切られる。そして通常はめ殺しになっているリアサイドウインドーの上下動を可能とし、リアシートとトランクスペースの間に幌を収納する。もちろん、幌は電動でありトランクスペースもちゃんとある。

 幌に付くリアウインドーは熱線入りのガラスウインドーだから耐候性もあり視認性も悪くない。幌の電動スイッチとリアサイドウインドーの電動スイッチは、ドライバーステアリング左側下に設置され、自動で開閉可能になる。

 当然ながら、ボディは補強されている。エンジンルーム内のフレーム部分とサスペンション取り付け部を繋ぐ補強バーを入れ、ボディ下面にも補強バーを張り巡らせガッチリ固められているetc

▲インテリアの基本的な構成はクーペと同様のもの。

▲幌の開閉ボタンはドライバーステアリング左側下に設置され、開閉時はボタンを押したままにする。

▲幌が収納されてもリアトランクはご覧のようにしっかりある。

▲ボディ下面には補強がガッチリ張り巡らされている。

 上記のような作業を行い製作が完了すると、ドロップトップカスタムズから再びディーラーへと戻され納車となる。もちろん、メーカーが完成モデルをチェックし認証を得たのち販売されているからその製造クオリティはお墨付き。

 ちなみにドロップトップカスタムズだが、創業46年のコンバーチブル製作メーカーであり、以前から各自動車メーカーのコンバーチブルをカスタマイズで製作するビルダーとして名を馳せていた。

 もっとわかりやすく言えば、その昔シボレーアストロにスタークラフトといったコンバージョンメーカーがあったが、ドロップカスタムズはそう言ったコーチビルダーのコンバーチブル製作屋さんということだ。

 が、実車を見るとわかるが、各部に製作の粗が見えることは全くなく、正直、マスタングやカマロのコンバーチブルと何ら変りない質感を示している。幌の見た目の工作精度も非常に高い。

▲レッドスエードとブラックレザーとのコンビシート。

▲オープン化することでインテリアのカラーがよく目立つ。

▲ブラックボディに各部のレッドがよく似合う。

 で、実車であるが、2022年型チャレンジャーR/Tスキャットパックワイドボディのコンバーチブル。もちろん新車である。

 上記した通り、チャレンジャーのコンバーチブルはめちゃくちゃカッコイイ。本気で理想形だろうと思う。特にボディ全体のサイズ感に対するフロントウインドーの短さが最高だろう。くわえてメーカー純正のコンバーチブルであり、最後の最後に出たレア感も素敵だ。

 恐らく、いま現在日本に5台もないのではないか。ヘルキャットレッドアイ、いやあのデーモンよりもレアな存在だろう。

 しかも幌の工作精度は高いから、セカンドカーとしてではなく、ファーストカーとしても十分に役割を果たすはずだ。

 ちなみに、こちらを直輸入したベルエアーであるが、現代版チャレンジャーの新車を数多く扱っており、昨年から今年前半においてはあの土屋圭市氏と各種サーキットやワインディングでチャレンジャーをベースにしたチャレンジ企画を実施していたショップ。

 もちろん販売のみならず整備に関する機材やノウハウにも長けているから、コンバーチブルとはいえ非常に安心感が高いのである。

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