2000年前半から始まったフォードの復刻物語。フォードGT、サンダーバード、マスタングといった歴代モデルの復刻現代版をデビューさせたフォードは、2015年に「ブロンコ」の復活に触れ、コンセプトモデルを発表した。そして2018年にはデビューという情報が駆け巡ったのだが、その後音沙汰は全くなし。
フォードにおける復刻物語は頓挫と誰もが思ったわけだが、2019年末、「ジープラングラーを仮想敵とした本格的オフロードモデルとしてデビューする」と突如発表され、スクープフォトがこれまた業界中を駆け巡った。
しかもその後、コロナウイルスによる工場停止ともにリーク情報が溢れ、様々な憶測というよりは、ある程度確実な情報がメディアを席巻。そして2020年に7月に正式発表された。
デビューまでに約5年かかったわけだが、発表されたモデルは予想以上の反響だった。そして発売開始が21年の春。
だが、コロナ禍ということで生産を含め全てが遅れに遅れ、さらに予想以上のプレミア価格ということもあり、そして空前の大ヒット作ということで、当然ながら入手するのはかなり困難な状態だった。
プラスして、2021年以降のフォード車には、メンテナンス時に使用する電子デバイスもバージョンアップされた「VCMⅢ」が必要になるから、当然日本でも扱いが限られる。
そんな中で、遂にブロンコがBCD車両として日本に直輸入された。走行約5000キロの「BIG BEND」。2.3リッター直4エコブーストターボ搭載でボディカラーはArea51である。
BCDではこれまでチャレンジャーやマスタングといったハイパフォーマンスモデルを中心とした品揃えを展開していたが、そうしたパフォーマンスモデルたちは乗員数が限られる。
くわえてSUVを求めるファミリー層からの声も多くあがり、かつBCDらしい車両を、ということで本国では人気絶頂のブロンコを、今あえて仕入れたという。
もちろんBCD車両だけあって、カリフォルニアにある本国支社による精査と点検が入り、程度良好な個体が輸入されているのは間違いないし、BCDにはすでにVCMⅢが随分前から導入されているからそういう意味での安心感は非常に高い。
余談だが今現在、横浜店にはジープグラディエーターが展示されているのだが、そちらはなんとMT車。当然正規ディーラー車にはないラインナップであり、あえてMT車を導入するというこだわりに拍手を送りたい!
というか、これぞ直輸入車の醍醐味であり、こうした日本に正規で輸入されていない車両を独自に輸入し、そしてそれらの個体の状態は常に良く、だが万が一、機械だからこそ何かあった場合には本国ディーラーと同じ体制による整備フォローにて対応するというBCDのような存在は、電気自動車とガソリンエンジン車が行き交う岐路に立たされた時代だからこそ、より貴重な存在となるはずである。
さて、現代版ブロンコのデザインベースとなっているが1966年型ブロンコで、丸目ヘッドライトを有する意匠。旧型と比較すればわかるが、誰が見ても復刻モデルと認識できる一方で、全体の雰囲気はイマドキのSUV風情。
ジムニーやFJクルーザー、ラングラーといったモデルたちが絶大なる人気を誇っているが、それらモデルたちの良い面をすべて詰め込んだオフロード風SUVといった感じだ。ちなみに、旧1966年型には4ドアモデルは存在していない。
ボディサイズは4ドアで全長×全高×全幅:4810×1854×1928ミリ、ホイールベース:2949ミリであり、同じフォードで言えばエクスプローラーより一回り小さいサイズ感でミッドサイズSUVにカテゴライズされる。
このサイズ感に組み合わされるエンジンは2機種。2.3リッター直4エコブーストターボで270hp、最大トルク310lb-ftを発生させるスタンダードエンジンと2.7リッターV6エコブーストツインターボで310hp、最大トルク400lb-ftを発生させる上級エンジンである。ともに10速ATと組み合わされる(7速MTもあるが、2.3リッター直4エコブーストターボのみに搭載可能)
■2.3リッター直4エコブーストターボ:270hp、最大トルク310lb-ft 7速MT or 10速AT
■2.7リッターV6エコブーストツインターボ:310hp、最大トルク400lb-ft 10速AT
面白いことに、ボディには伝統的なブルーオーバル(フォードのバッジ)が貼られることはなく、フロントグリルには「BLONCO」のバッジ。
ルーフはソフトトップが基本で、オプションの脱着式ハードトップは3段階の取り外しが可能。もちろん左右ドアまで脱着式である。
また足回りはフロント独立懸架、リア5リンクという構成の4WD仕様。前後共にハイパフォーマンスオフロードスタビリティサスペンションを備え、地上高やサスペンショントラベル、アプローチアングルといったオフロード性能に最大限注力されている。
一方インテリアは、初代ブロンコをテーマにデザインされ、各種メーターやゲージ類の視認性が良く、使用されているマテリアルにはアウトドアを意識した素材を使用し、一部のモデルには水洗い可能なゴム引きの床が使用されているなど、本格派アウトドアマシンとしての機能性を持ち合わせている。
センターコンソールには標準の8インチタッチスクリーンの他、最新のインフォテインメントシステム「Sync4」にも対応しているからスマホによるナビの投影も可能である。
このブロンコには6種類のモデルが存在「BASE」、「Big Bend」、「Black Diamond」、「Outer Banks」、「Wildtrak」、「Badlands」し、11色のボディカラーがチョイス可能となる。
今回取材したブロンコは、Area51と呼ばれるブルーグレーのような原色カラーの2.3リッター直4ターボエンジン搭載の「Big Bend」。
ブロンコは、モデル別にある程度の装備が決まっており、「Big Bend」は17インチアルミ、32インチ255/75R17 A/Tタイヤ、LEDフォグランプ等といった装備が付帯しているグレードである。
さて、間近で見る現代版ブロンコだが、予想以上にいい。あくまで現代SUVとしての評価であるが、素晴らしく魅力的だ。また個体の状態も素晴らしい。まるで新車のようであり、特にインテリアの使用感の無さやシートの状態には驚きすら感じる。
巷でよく言われる、丸目こそ最強(ミニ、ポルシェ、ビートル、ゲレンデ、ラングラー)、といった外車の法則らしきものにも則っているデザインは固有のもので、デザインいいし、サイズ感もいいし、さらに全体の質感もいいから、「ラングラーほどアウトドア感はいらない」という方にもオススメできる(現代の最新SUVとして非常にまともだから)。
それでいてラングラーに近い悪路走破性は備えているわけだから、さらに室内空間もラングラー以上に広いし快適であるわけだから、見てみるだけでも価値はある。
ちなみに、幌を外してフルオープントップも可能だから、ラングラーにできることはブロンコにおいても当然可能であり、アクティブにも使い倒せるだけの魅力を持ち合わせていることも付け加えておく。
くわえてBCDは上記したフォード専用の電子デバイスVCMⅢを有した自社での確認や日本仕様への自社改善を行っており、そうしたメンテナンス等のアフター系の充実度が高いから安心感が違う。
個人的にはかなり待ち望んでいた車両である。というのも、ブロンコなら今のラングラーに勝るとも劣らないほどの性能を与えてくれ、かつ最新SUVとしての優越感と最新フォードの洗練性を与えてくれるから(エコブーストターボ、ツインターボ、さらには10速AT、安全装備等)。
そしてその扱いがBCDであるなら、その独自の輸入システムと購入前後のフォローがまるでディーラーのような存在であるから買う側としても安心して任せられるし、日本を走る新型ブロンコはまだまだ少ないので、今乗れば当然ながら目立つこと請け合いである。
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