TEST RIDE

[試乗記]

レアな高年式ワイドボディのMT車

2022 ダッジチャレンジャー R/T スキャットパック ワイドボディ

走りに現代的なパフォーマンスを求めるならワイドボディ

HEMIオレンジパッケージを装着したワイドボディの極上チャレンジャーを取材した。

更新日:2024.12.25

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/BUBU / ミツオカ TEL 0120-17-2290 [ホームページ] [詳細情報]
     BUBU横浜 TEL 045-923-0077 [ホームページ] [詳細情報]

MTモデルのHEMIオレンジパッケージ装着車

 2023年でダッジチャレンジャー&チャージャーの生産終了が決定し、2024年モデルとしてダッジチャージャーデイトナが復活した(12月から現地で試乗が始まっている)。ただしそれはEVであり、多くのマッスルカーファンは失望。

 だが、急転直下、チャージャーデイトナには続きがあり、ガソリンモデルのシックスパックが一年遅れで登場する。

 ただし、ガソリンエンジンとはいえ、旧時代の大排気量V8ではなく3リッター直6ツインターボというから保守派のマッスルカーファンはどういう判断を下すのだろう?

 もう一つ。新しいチャージャーには2ドアと4ドアが存在する。それすなわち、ダッジチャレンジャーの存在は今後あり得ないということを意味している。

 あくまでアメリカ的指標だが、2023年までのチャレンジャーとチャージャーの関係性は、4ドアチャージャーの2ドア版がチャレンジャーというものだった。

 よって、今回のチャージャーは2ドア4ドアを共に備えているから、端からチャレンジャーの存在を消してしまい、「今後はチャージャー一本でいく」という意思の表れ。

▲2022年型チャレンジャーR/T スキャットパック ワイドボディのBCD認定中古車。走行8000
キロの極上モデル。

▲HEMIオレンジパッケージ装着車のため、各部にオレンジカラーが用いられている。

 で、そんな事実を知りつつ、今度のニューチャージャーの写真を見るとボディサイドラインに2023年までのチャレンジャーを思い浮かべたりするのは筆者だけだろうか。「ヘッドライトを丸目二灯にしてしまえばNEWチャレンジャーではないか」と(笑)

 現地の報道でも、「ダッジのスタイリストは、フロントグリルからテールライトに至るまで、チャレンジャーのボディラインを漠然とリマスターしたようだ」とニューチャージャーのデザインについて述べていたから、当たらずも遠からずといったところだろう。

 ということで、ダッジチャージャーはカタチ変え生き残るが、チャレンジャーに関しては2023年モデルで完全終焉である!

 ところで、今更ながらだが、ダッジチャレンジャーの魅力とは一体何なのか? いろいろあるのは間違いないが、筆者的的にはアウトロー的存在=「凄味」を持った存在という「イメージ」ではないかと思っている。

 時代に媚びない大排気量V8OHVや空気抵抗など歯牙にもかけないワイルドなスタイリング、そして『バニシング・ポイント』をはじめとした様々な映画や、クォーターマイルやストリートに残したエピソードの数々が、「チャレンジャーかくあるべし」という像をファンの心に刻んで来たのだと思う。

 なので例えば「高級」、「高性能」と言ったワードだけで言えば、それこそ、ベンツでもBMWでもジャガーでもレクサスでもetc、「代わり」はいくらでも存在する。だがしかし、ダッジチャレンジャーのまとうアウトロー的イメージは、文字通り「挑戦者」にしか持ち合わせていない=そんなイメージや存在感にファンは憧れるのだろう。

▲搭載されるエンジンは、6.4リッターV8ヘミ。485hp、最大トルク475lb-ftを発生させる。

▲専用デカールが貼られている。

▲バッジ類は各種オレンジカラーで統一されている。

▲スキャットパックのバッジもオレンジカラーの「392」に変更されている。

 よって、ダッジチャレンジャーに興味を持っているならば、今、日本の中古車市場にあるチャレンジャーの、コンディション優良個体を素早く手に入れ、そして長く乗るべきだろう。

 そしてそんな個体を求めるならBCDが最適である。中古車購入において、最も注意すべきことは、「安物買いの銭失い」といった事態に陥らないこと。

 すなわち、チャレンジャーは高性能車であるからこそ、年式を経た、または走行距離のかさんだ個体はそれ相応のメンテナンスや整備が必要になり、購入後に「そんなはずではなかった」ということに陥る可能性が高くなる。

 また、売れていたモデルだからこそ、「粗悪な個体が売られる可能性も高い」ということもある。

 そういう意味で、BCDにおける個体はそうした状況が起こらないような厳密な選別がなされており、年々複雑化している車両メンテナンス状況に適宜対応してきている。

 またBCDの認定中古車であれば、管理下に置かれた個体が中心となっているから、その車両の過去の履歴が明確になっているため、「そんなはずではなかった」ということが絶対に起きない。

▲オレンジカラーに塗られた巨大なブレンボブレーキが装着されている。

▲リアのバッジもオレンジカラーに変更。

▲インテリア自体はノーマルモデルと同一だが、ステッチ類がオレンジに変わり、ボディとのトータルコーディネートが施されている。

 ということで、22年型R/TスキャットパックワイドボディのBCD認定中古車である。走行8000キロの個体はなんとMT車。MT車ファンはかなり少ないと言われているが、チャレンジャーファンにはMT車を求める方が結構多い。

 すなわち、大排気量V8をあえてMTで乗って楽しむという、エンジンを「操る」ことのプラスαを求めているのだ。

 実際、筆者は何度か乗っているが、V8をダイレクトに操る行為、そして濃密なV8サウンドをダイレクトに聞く・・・、それこそ同じチャレンジャーでも全くの別物と言えるくらいの「差」が生じており、たまらなく魅力的な行為である。

 くわえてこの車両は、HEMIオレンジパッケージ装着車のワイドボディ。オレンジパッケージにより専用デカールが貼られ、車両に貼られるバッジ類もすべてオレンジに統一され、インテリアのステッチもすべてオレンジで縫われているから、オレンジのブレンボブレーキと合わせてトータルコーディネートに長けた非常に珍しい存在と言える。

 またチャレンジャーのボディにワイドフェンダーが想像以上に似合っており、デザイン的な前後バランスが整っているから、購入検討者が実車を見れば100%惚れると言っても過言ではない。

▲非常に操りやすい6速MTを駆使して6.4リッターV8エンジンを堪能することが可能になる。

▲メーター類はノーマルモデルと同様。だが、MT車だけにタコメーターの動きをダイレクトに感じることが可能だ。

▲オレンジカラーのステッチが非常に洒落ている。

 同時にワイド仕様になったことでタイヤが太くなり、コーナリング時の踏ん張りが格段に安定し、これまで以上にパワーを生かした走りが可能になるという実利もある=よって「R/T」や「GT」にワイドボディは存在しない。

 ちなみに、ノーマルのナローボディにはノーマルの良さがあり、旧時代のチャレンジャーの復刻版であるというらしさ溢れるスタイリングも同様に魅力的。

 だから速い遅いに関係なく、往年のチャレンジャーのような雰囲気が欲しければ当然ノーマルボディ一択である。一方で、走りに現代的なパフォーマンスを求めるならワイドボディとなるわけである。

 取材車両は、BCD管理下に置かれていたBCD認定中古車。よって走行距離は少なくコンディション良好、くわえて日本国内での購入はもはや不可能と思われていたMT車だけに、6.4LのMT車のワイドボディを探していた方にはきっと最高の一台になるに違いない。

▲MTギア&クラッチの扱いやすさは随一。

▲フルバケットほどのホールド感はないが、車両にマッチした性能を保持するシート。

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