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ラグジュアリーではなく、スポーティに

ダッジマグナム RT (DODGE MAGNUM RT)

KIBAを磨いたスポーツワゴン

HEMIエンジンを搭載したダッジマグナムはデビュー後5年で生産終了と、短命に終わっているものの、現在でもアメ車の中古車市場でかなりのにぎわいを見せている。取材車輌も8年前の車輌だが、独自アレンジでまだまだ進化は止まない。

更新日:2010.05.28

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/ジャパンレーストラックトレンズ TEL 0356613836 [ホームページ] [詳細情報]

本国では振るわずにわずか5年で生産終了

 全長5021mm、全幅1880mm、全高1505mmのフルサイズボディに、ある種凄味を感じさせるフロントマスク。シャシーコンポーネンツの多くはメルセデスEクラスと共用しており(約20%)、走りの良さも確約されている。そんな魅力的なクルマがダッジマグナムであった。 

 ダッジマグナムはクライスラーが2005年モデルとして04年に投入したプレミアムスポーツワゴン。当時トップグレード・マグナムRTに搭載されるエンジンは、5.7リッターV型8気筒OHVヘミ。このエンジンは、340hp、トルク53.9kg-mを発生させ、0〜100km/h加速を6.3秒でこなしてしまう俊足ぶり。

 デビュー当初マグナムには、上記RT以外にも2グレード存在し、ミドルレンジのマグナムSXTは3.5リッターV型6気筒SOHCエンジンを搭載。250hpを発生させ、同じく0〜100km/h加速を8.5秒でこなす。ボトムレンジのマグナムSEは2.7リッターV型6気筒DOHCエンジンを搭載。190hpを発生させ、0〜100km/h加速を10.7秒でこなす。

 これらエンジンに組み合わされるミッションは、RT搭載のヘミのみがオートスティック付き5速ATとなり、他は4速ATのみの設定となる。

 インテリアは、圧倒的な個性を主張するエクステリアからすると、非常に大人しいかつシンプルだ。だが、このマスクとエンジンがあれば…、と当時はなぜか許せてしまっていた。

 他に比べるものの存在しない個性的なルックスと340hpものパワー。そしてメルセデスとメカニカル・コンポーネンツの多くを共用するという、ある意味理想のスポーツワゴン。アメリカの大胆とドイツの緻密さが融合した、これこそ夢のクルマであると、当時から大絶賛だった。だが……。

 ワゴン好きのアメリカンと言えども、時代は過ぎ、マグナムデビュー時はSUV全盛の時代へと移り変わっていた。デビュー当時の反響はかなりあったものの、その後の伸びが振るわずに短命となった。正確には、04年に登場し08年をもって生産終了となっている。
 
 ちなみにその5年間の間に、マグナムには2度の変化があった。ひとつは6.1リッターV8ヘミ搭載のSRT-8が追加されたこと。そしてもうひとつがフェイスリフトを行った最終型のマイナーチェンジである。

 本国での人気薄によりわずか5年という短命に終わったマグナムだが、じつは日本では現在でもかなりの人気モデルとして、中古車市場では常にタマ不足という状態が続いている。
 
 その理由のひとつとして、マグナム登場時くらいからクオリティが格段に高くなっていることがあげられる(=中古車としても)。さらにメルセデス、BMW、アウディ、ボルボのワゴンにもまったくヒケを取らない性能と、「個性」という点で逆に際立っているという魅力。そしてアメ車の良さでもある、アフターマーケットの充実。
 
 レガシィ等の国産ワゴンユーザーからの乗り換えも期待できるという、まさに日本向けのワゴンなのである。

マグナム史上における最大のハイライトが、SRT-8の登場だった。6.1リッターV8エンジンは、425hp/6200rpmを発生させ、強大なトルク57.9kg-mを発揮させる。ちなみに、0〜100km/h加速は5速ATを介し5秒以下で、0〜400m加速も13秒という鋭さだった。足回りにはローダウンされたチューンドサスペンションを、ブレーキにはブレンボが装着されていた。

ノーマルのマグナムは、素の状態での走りが良く、300やチャージャーと同一レベルを確保している。車体のクオリティに関しても同様である。過去のアメ車と比較すれば、それこそ中古車になっても魅力が減ることがあまりないのが特徴である。とくにワゴン好きの日本ではかなりもてはやされている。

マグナムのカスタムでは、大径ホイールを履かせたラグジュアリー系が大多数を占めるが、もともとスポーティなシャシーを持っているだけに、「走り系」に振ることも十分可能。今回のような1台は、とくに新鮮に見える。

スポーティかつレーシーな味付け

 ということで、05年のダッジマグナムR/Tを紹介しよう。

 このクルマは、レーストラックが新車で手に入れた後に年々煮詰められていった車輌であり、方向性でいえばかなりスポーティなモデル。

 近頃はマグナムをベースにラグジュリーな方向性でカスタムするオーナーが多く、逆にそれに惹かれる若者たちがマグナムを求めているという現象が多く見られているだけに、スポーティなマグナムは、今となってはかなり新鮮である。

 フロントスポイラーとボンネットフードはオリジナルブランドKIBAでかためられ、戦闘的な印象のフロントマスクを形成している。このKIBAとは、日本人の持つ大胆かつ繊細な技術をもってアメ車をブラッシュアップさせるブランドであり、日本狼をイメージキャラクターとし、スタイリッシュな野性味を表現している。

 足回りは、コニのショックで減衰力を調整し、SRT-8に標準装備されるブレンボブレーキを装備、さらにナスカー20インチホイールで、レーシングカーさながらの性能と雰囲気を醸し出している。

 これに対する性能面に関しては、吸排気にラムエアとコルサマフラー(出口形状を換える等コルサベースのワンオフモデル)を装備することで、軽快なエンジンの吹け上がりを求め、極めつけはスロットルコントローラーの装備。

 このコントローラー、過去に数度紹介しているからご存知の方も多いとは思うが、5.7リッターヘミエンジンとの相性もバッチリであった。

いわゆるレーシングストライプだが、今回は思考をこらしボンネットフードエアダクト上部のみにブラックのストライプを入れている。単なるストライプではなく、中央を2分割しているところがポイント。レーシーな雰囲気だけに、ボンネットピンもよく似合う。

搭載されるエンジンは5.7リッターV型8気筒OHVヘミ。340hp、最大トルク53.9kg-mを発生させるため、ノーマルでも必要にして十分なパワーがある。これをベースに足回りをキメ、エアロとスロットルコントローラーで充実させたのがこのマグナム。

いわゆるデイトナタイプのホイールの中でも、バセットやサークルレーシングが有名であるが、このマグナムにはナスカーホイール20インチを装着。イエローのピンストライプがボディに貼られたステッカー等とマッチしており、ナスカーレーシングカーのような雰囲気をも醸し出している。

フロントマスク全体の印象は、非常にアグレッシブ。だが、どこかに和風テイストが感じられる仕上がりが、このKIBAの特徴でもある。

ドイツとアメリカの融合が積極的に楽しめる

 こうした一連のカスタムパーツにより仕上がったマグナムの走りは、「楽しい」のひと言。とくにスロットルコントローラーで盛り上がるエンジンの吹け上がりとシャキッとした足回りが硬質なボディと相まって、まるでスポーティなドイツ車に乗っているかのごとき感覚を与えてくれる。

 だがそれでいて、大排気量エンジンさながらの息の長い加速感とトルク感を与えてくれるのだから、特別なアメ車に乗っている感じもちゃんとあるし。

 このマグナムは05年から年々手を加えることで現状までたどり着いた。そしてこの先、まだまだ楽しめる要素がたくさん残っている(フィーリングをさらに高めることも出来るだろうし、速くもできるだろう。まだまだ遊ぶ余地はたくさん残されている)

 つまり、こうしたオーナーを飽きさせない魅力がたくさんあるのが、アメ車のいいところなのである。

 マグナムはすでに絶版モデルとなっているが、エンジンバリエーションも多く、さらにアフターマーケットが充実しているだけに、ラグジュアリーにも、そしてスポーティにも振ることが可能である。そして絶版系オーナーというレア感にも浸ることができる!

 中古車としては、どんどん数が減っているだけに一期一会のつもりで、オーナー予備軍の方は早めに手に入れた方が得策である。

ATシフト右横に見えるのが、スロットルコントローラーのスイッチ。これまでに6.1リッターV8、3.5リッターV6装着車に乗った経験があるが、今回5.7リッターV8に乗ってみて、この5.7が一番合っているような印象を受けた。6.1リッター装着車は、あまりのパワフルさにちょっと危なさを感じるほどなので…。

十分なパワーを持った5.7リッターV8モデルなので、吸排気系をいじっただけでも十二分に速い。ただ、今回はアシをキメているだけに、スロットルコントローラーでさらにパワフルな状態を楽しむことが可能である。スタイリッシュで速いワゴンが欲しいなら、マグナムはちょうど良い選択肢だと思う。絶版レアモデルでもあるし。

<関連記事>
>> 電子制御スロットルコントローラー を見る
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