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アメ車のチューニング・クライスラーHEMIエンジン編 その1

ダッジ・チャレンジャー SMS570 スーパーチャージャー vol.1

後付スーパーチャージャーでSRTヘルキャットを超えろ!

 アメ車のチューニングと言えばマフラーやエアクリーナーを中心とした吸排気系パーツの交換が定番。最近はそれにプラスしてコンピュータのリセッティングを行ったりもするが、国産車の有名チューニングショップがやる様な大掛かりなチューニングを行うショップというのはほとんど存在しない。理由は簡単で、大排気量エンジンを搭載するアメリカンハイパフォーマンスカーの場合、元々のポテンシャルが高いだけに、ちょっと手を加えるだけで十分なパワーを発揮する事が出来るからだ。
 とはいえ、アメリカにはシェルビーアメリカンやキャラウェイといった過激なチューニングカーを制作しているメーカーやショップはいくらでも存在するし、もちろん日本にもアメ車をベースに国産のチューンドカー並みのハイチューンを行うショップは存在する。ここで紹介するのは、筆者が知る限り日本国内で最も本気でアメ車をチューニングしているナインレコードが制作中のモンスターマシンである。

更新日:2016.03.30

文/田中 享(Tanaka Susumu) 写真/内藤敬仁(Naito Takahito)

取材協力/ナインレコード(9 RECORDS USA) TEL 0480-48-7157 [ホームページ] [詳細情報]

SRTヘルキャットはお世辞抜きで凄いが

 ダッジ・チャレンジャー&チャージャーにSRTヘルキャットが加わったのは衝撃だった。707HPというとんでもない最高出力の数字もそうだが、あのHEMIユニットにスーパーチャージャーを装着し、それを通常モデルとして発売してしまうダッジの開発者や責任者の根性が何よりも凄いと感じたのだ(笑)。

 フォード・マスタング・シェルビーGT500やシボレー・カマロZL1など、ライバルであるフォードやGMには既にスーパーチャージャー付の高出力ユニットを搭載したハイパフォーマンスモデルが存在するので、ダッジがそういったモデルを発売してもおかしくはない。が、それにしても…という気がしたのである。ダッジにはチャレンジャーの上にバイパーという生粋のスポーツカーが存在するし、そのバイパーを超えるスペックのエンジンをチャレンジャーやチャージャーに搭載するというのも驚きだった。

 ま、それはともかく、実際に登場したチャレンジャー&チャージャーのSRTヘルキャットは、筆者の想像以上にパワフルだった。しかもVVT(可変バルブ機構)が装備されているお陰もあってか、意外なほど乗り易いのである。試乗したのがチャレンジャー、チャージャーともに8AT車だったので安易に比較する事は出来ないのだが、同じくスーパーチャージャー付で662HPを誇る2013年型のシェルビーGT500と比べると、明らかに制御されている感があってハイパワーFR車ならではの怖さはほとんど感じなかった。お世辞抜きで非常に良く出来たハイパフォーマンスカーに仕上がっていると思う。

ナインレコードでは『DIM-TECH社製DYNORACE』という常時4輪をシンクロ回転させるローラー式のシャシーダイナモメーターを使用してパワー計測を行ったりセッティングを行ったりしている。

SRTヘルキャットの新車価格は軽く1000万円以上!

 ただしその分お値段も強烈。並行輸入車の場合、車両オーダー時の為替相場や依頼するショップの違いで金額は大きく変るので、支払い総額には幅が出るのだが、筆者の知る限りではこれまで日本に輸入されたSRTヘルキャットの金額は大体1200〜1400万円くらい。この金額は現行シボレー・コルベットZ51の正規輸入車を軽く上回り、コルベット史上最強のC7 Z06に迫る金額となる。

 もちろん最高出力や最大トルクといったエンジンスペックだけみれば、ヘルキャットがZ06を上回ってたからといって何の不思議もないのだが、相手は量産アメリカンスポーツカーの最高峰である。
 さらにはチャレンジャーやチャージャーの場合、3.6リッターV6ユニットを搭載するSXTなど、ヘルキャットの半分以下どころか3分の1程度の金額で手に入るグレードも存在する。4ドアのチャージャーであればまだ『世界最速セダン』という金看板があるが、スタンダードな2ドアクーペで、見た目はV6モデルやR/Tとそう大差ないチャレンジャーのSRTヘルキャットに、果たしてZ06並みの金額を出すか?となると、よほどのチャレンジャー好きか、あるいは相当のお金持ちでもない限りは二の足を踏むのが普通だろう。

ベースは5.7HEMIだが、ヘッドとシリンダーブロック以外の中身はほとんど交換されている。スーパーチャージャーはケニーベルの2.8LC。

SRT8にスーパーチャージャーをボルトオンすれば

 「SRTヘルキャットは凄い。ぜひ欲しい。でも、ちょっと値段が高過ぎて手が出ない」そんなチャレンジャー&チャージャーのファンは日本にも多いのではないか?と思う。そこで考えられるのがチューニングという手段。NAのSRT8などをベースにチューニング(改造)を施す事で、ヘルキャットと同等、あるいはヘルキャットを超えるパワーを手にする事が出来るのではないか?と考えたのだが、実はこれが可能なのである。

 これはよく考えれば当然の事で、国産車のチューニングの世界では、ノーマルの倍どころか3倍以上にまでパワーアップさせているチューンドカーはザラにある。有名なところではニッサンのスカイラインGT-Rに搭載されていた2.6リッター直6+ツインターボのRB26DETTや、トヨタのスープラに搭載されていた3リッター直6+ツインターボの2JZ-GTEなどは、280PSというノーマル出力から1000馬力超までパワーアップさせた車両が存在する。単純計算でノーマルの3倍以上である。

 チャレンジャーやチャージャーの場合、6.1リッターのSRT8で最高出力425HP&最大トルク58kg-m、6.4リッターのSRT8やR/Tスキャットパックであれば最高出力485HP&最大トルク65.7kg-mをノーマルで発揮しているのだから、どっちをベースにするにしろ、ノーマルの倍までパワーをアップする事が出来れば軽くSRTヘルキャットのスペックを凌駕することになるわけだ。

写真の計測データは、ナインレコードの初代デモカーであるシェルビーGT500のもの。このデータでは最高出力942HP&最大トルク98kg-mを計測しているが、このチャレンジャーも最終的にはこのデータに近い出力になる見込みだ。

ポイントはチューニング費用と信頼性?

 もっとも、問題がないわけではない。まずは費用の問題。仮にSRTヘルキャット以上のパワーを得る事が出来るとしても、ベース車両代+チューニング費用の合計金額がヘルキャットの車両価格を大きく超えてしまうのであれば、あまり意味はない。
 次はやっぱりリスクの問題。レーシングカーを作るわけではないから、全開全負荷にする度にエンジンのオーバーホールが必要な車両になったのでは無意味。ナンバー付で乗る事が前提の場合、いくらパワーアップ出来たとしても、簡単に壊れたりトラブったりするのはNGだろう。さすがにメーカーの純正モデルと同等というわけにはいかないとは思うが、それでもある程度の信頼性や耐久性はマストとなる。

 机上の理論であればSRT8に搭載されているHEMIユニットに過給器(スーパーチャージャー)をボルトオンで装着すれば確実にパワーアップするはずだ。セッティングしだいではヘルキャット以上のモンスターモパーを制作する事は可能だろう。でも、コストパフォーマンスや、公道を走る自家用車としての完成度をクリア出来るのか?なんて事を、ヘルキャットの登場後にたまに考えていた。
 と、そんな時にタイムリーにもアメ車ワールドで何度も取材させていただいているナインレコードから「1000馬力クラスのチャレンジャーの制作を始めましたよ」という情報をいただいたので早速取材してきたのである。
 非常に長くなってしまったが、ここまでがプロローグです(笑)

>>ダッジ・チャレンジャー SMS570 スーパーチャージャー改 vol.2
>>ダッジ・チャレンジャー SMS570 スーパーチャージャー改 vol.3

写真の人物はこのSMS570のチューニングを担当しているメカニックの長池氏。指で指しているのはオイルクーラー部分だ。

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