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アメ車好きの“正しい”ファミリーカー

2017 ダッジチャージャー デイトナ

HPP長池氏に絶対的な信頼を寄せる大澤さんが購入した現代版マッスルカー

今やSUVやバンが販売の主流と言われるが、大澤さん一家を見た途端、アメ車好きの理想的なファミリカーだな、と本気で思ったのであった。

更新日:2021.12.16

文/石山英次 写真/古閑章郎

取材協力/HPP  TEL  [ホームページ]

新車のスバルを半年で売って入手

 眩しいくらい鮮やかなグリーンカラーは、いわゆるチャレンジャーのサブライムグリーンとはちょっと違う。若干濃いめのグリーンで、その名を「グリーンゴー」という。

 この車両は2017年型のダッジチャージャーデイトナで、この仕様もボディカラーも2017年限定である。そんなチャージャーデイトナの約9000キロ走行車を購入したのが大澤将太さん(愛さん、琉叶さん、琉斗くん)。

 彼はその直前まで新車で購入したスバルレヴォーグに乗っており、だがそれをたった半年で売りに出し、このグリーンゴーのチャージャーデイトナに乗り換えたのである。

 「すべてはHPPの長池さんと出会っていたからです。その出会いがなければ当然買っていません」

 大澤さんは、運送業の職に就いていることから、荷物の運搬でHPPに足を運ぶことが多かった。そしてそこで見る数々のアメ車たちに次第に影響されていった。

▲2015年のフルモデルチェンジによりデビューした現行型。その2017年モデルとして登場したのがデイトナである。ボディカラーであるグリーンゴーは、日本ではかなり数の少ないレア車。

▲このデイトナのネーミングソースとなっているのが1969年型チャージャーデイトナ。4ドアモデルでありながらも生粋のマッスルカーとして認知を広める。

HPPの長池氏との出会いが全てを変えた

 HPPは、「壊れないチューニング」をポリシーに活動するスペシャルショップ。今やその名は全国に轟き、日本を代表するチューニングショップと言っても過言ではない。

 くわえてチューニングが出来るということは、メカニズムを理解しているということでもあるから、当然車両メンテナンス技術にも長け、各種メーカーの電子デバイスを駆使したCPU関連の修理にも精通している。

 だから、様々な車両が工場入りしており、もしくは全国から修理依頼が舞い込んできており、大澤さんはそれらを日常的に目にすることで、次第にアメ車の興味と長池さんへの信頼が高まっていった。

 「最初は荷物がある時でしたけど、次第に荷物がなくても顔を出すようになりました。今は最低でも週2回はHPPさんに顔を出します。そして色々見たり質問したりしていたら、『いつか長池さんにオイル交換してもらいたい』と思うようになり、そんな思いがクルマ選びにもだんだんと影響を及ぼすようになったのです」

 実は大澤さんは、今から約12年前にキャデラックエスカレードを購入していた。ちょうど二十歳の時に198万円だったという。

 だが入手したのもつかの間、燃費がものすごく悪く、次第にエンジンチェックランプが付き、その時は「ただただモテたいだけのクルマ選びだったからアメ車メンテのことはつゆ知らず」といった状態で、そのうちランプ点灯にも恐怖を感じ、購入後半年足らずで売却。その時の金額が30万円だったとか。

 「若気の至りとはいえ、半年で170万円の大損にはさすがにこたえました(笑)。それ以来自分の中で『アメ車はもうないな』となっていましたから、HPPで色々なアメ車を見て『かっこいいな』とは思いましたが、最初は『買う』という気持ちには至らなかったんです」

▲フード上にはブラックの「HEMI」のグラフィックが描かれており、ルーフは全体的にブラックになっている。

▲リアにも同様にブラックのグラフィックが描かれる。リアスポイラーもブラックカラーに。

▲20インチのハイパーブラックフォージドホイールとボディカラーとのマッチングも絶妙である。

まるでミニカーが実物大になったかのよう

 だが、クルマ好きの性なのだろう、毎日のようにアメ車、特にマッスルカーを見ていたら、自然と「欲しい」と思うになっていったという。

 そして長池さんとの出会いから約4年、「面白いクルマがあるよ。こういった出物はそうはないよ」という一報と共に一気に気持ちが盛り上がり、上記した通りスバルのディーラーマンが驚くほどのスピードで売却し、チャージャーデイトナの購入に至ったのである。

 そして約二ヶ月後実車との対面。まるでミニカーが実物大になったかのような鮮やかなグリーンボディは、お子さん達にも少なからず影響を与えたという。

 「レヴォーグには何も反応しませんでしたが、このチャージャーには子供ながらに『すごいクルマに乗っている』ということを理解しているみたいです」

 そりゃそうだろう。街中を走れば誰もが振り返るド派手なマッスルカー。しかも外から聞くエキゾーストサウンドも、いわゆるアメ車っぽい重低音が響く。子供でさえその差は歴然だろう。

 そしてこのチャージャーデイトナにはHPPが販売している究極のオイル・トライボダインのオイルがエンジンとデフに使用されている。大澤さんのもう一つの念願も叶ったわけである。

▲搭載される5.7リッターV8ヘミエンジンは370hpを発生させ、それを8速ATで駆動する。

▲インテリアは基本、ノーマルモデルと同様のデザインを用いているが、部分部分にスチールヘアラインのプレートが貼られているのが特徴。

▲2015年から搭載されている8速ATは、新時代のアメ車らしく積極的なシフトアップとダウンをパドルシフトと共に実現してくれる。

現代版マッスルカー好きの理想的ファミリーカー

 「クルマも長池さんだからこその信頼で購入しました。もちろんグリーンのボディカラーもめちゃくちゃ気に入っていますが、すべてはHPPと長池さんへの信頼が今に繋がっています。当然、クルマ自体もコンディションが良く満足しておりますし、来年はぜひCPUや足回りのチューンをお願いしたいと考えております」

 筆者も知っているが、HPP代表の長池氏は、とにかく細かく丁寧な方でまた理論的でもあるから、作業も的確であり、だからそういったもろもろを間近で見ていれば、必ずや影響を受けるはず。

 「アメ車ってこんなもんだよ」などとも決して言わないから、消え掛かっていた大澤さんのアメ車への情熱が、長池氏と知り合ったことによって復活したことも理解できるのである。

 「11年ぶりの左ハンドル車で最初は緊張しましたが、今は慣れました。これまで以上に遠出するようにもなって、ほぼほぼ土日しか乗りませんが、充実した日々を過ごしています。いや、本当に買って良かったです」

 筆者は普段、自分が運転したり、取材撮影したりするから間近で他の人が動かすマッスルカーをちゃんと見たことがあまりない。だが帰り際、大澤さん一家が走り去る姿の超強烈なインパクトが忘れられない。さすがはアメ車、マッスルカー。

 いろいろ好みがあるから、古いのが好き、90年代が好き、現代物が好きと様々分かれるのだろうが、現代版のマッスルカーが好きな方にはたまらない個性の塊。しかも乗って楽しいし、目立つし、距離を走っても楽だし、今や絶滅危惧種となりつつあるV8サウンドが響くし。

 世間的にはSUVやバンが販売の主流と言われているが、いや〜、アメ車好きの理想的なファミリカー使いだな、と大澤さん一家が乗るチャージャーデイトナを見て本気で思った。まさしくマッスルカー好きの理想的ファミリーカーではないか、と。

▲「DAYTONA」ロゴ入りのシートはレザーとアルカンタラのコンビシート。

▲HPPの長池氏に絶大なる信頼を寄せる大澤さんは、来年CPUや足回りのチューンを行う予定だという。

▲11年ぶりの左ハンドル。奥さんも運転はするが、このチャージャーの運転はさせないという(笑)。現在は渋滞も苦にならずしかも遠出が増えているということで、このレアなグリーンのチャージャーを目撃する方が多くいるかもしれない。

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