現代版マッスルカー、たとえば300Cやチャージャー、チャレンジャー…。そういったクルマたちをベースに「走り」を楽しんでいるオーナー達が次に狙うべき(乗るべき)クルマが見当たらない。コルベットとかバイパーだと、いわゆるスポーツカー&レーシングカー的な部分が突出していて、彼らの意思にそぐわないという。ポイントはあくまで「ストリート」。買い物から一般道までを楽しめるファントゥドライブなクルマを探しているのだ。
そこでキャデラックCTS-V。クーペ、4ドア、ワゴンとボディの選択肢が豊富で、AT&MTをチョイスできる幅広さ。そしてなにより金額の割に「パワー」が凄い(ちなみに564ps)。クワッドドライブでは、このCTS-Vをベースにカスタムすることで、新たなる提案を行う! そう、いじる楽しさと速さ&快適性の新提案である。
ベースとなるCTS-Vは2011年モデルの並行車。排ガステストや加速騒音テストを全て自社で行いテストレポートを取得するといったコダワリよう。ちなみに日本上陸第一号車で、ボディはブラック。ブラックダイヤモンドという特別仕様車である。
実際にテストドライブを終えての印象を聞くと「ノーマルでも凄く速いですね。サスペンションのバランスも良いと思います。たとえば、上記のマッスル系のクルマたちっていじると効果が大きく体感できるんですが、このクルマの場合は、バランスよくいじならないと、かえって逆効果にもなりかねない。そのくらいノーマルのレベルが高い。そういう意味では、腕の見せ所ですし、やりがいがありますね」
われわれも同乗させてもらったが、まずもって剛性の塊のようなボディに驚き、アクセルひと踏みの速さに恐怖感を抱き、そしてキャデラックとは思えないステアリングレスポンスの素早さに苦笑いさえ起こる。先日までは「箱形最速はチャレンジャー392だ」と確信していたが、これに乗ってからは考えを改めざるをえない。CTS-Vは、体感でも実測でも間違いなく箱形最速である。
このCTS-Vのカスタムパーツは、まだ少ないという。一応現状ではマフラー、タコ足、エアクリーナー、ホイール、ダウンスプリング、カーボンパーツ等を検討中である。それらを装着しながらもバランスを考えつつ、その都度仕様変更をしていくという。たとえばダウンスプリングに関しては3社のパーツをすでに発注しており、ぞれぞれを試していくというから楽しみである。
新たなる「走り」グルマの提案は、アメ車ファン&ユーザーだけでなく、きっと業界全体を活性化していくに違いない。
アメ車ワールドでは、このCTS-Vのカスタムレポートを随時紹介していくので、次なるアメ車をお探しの方は、是非参考にしてください!
キャデラックCTS-Vとは、2007年にフルモデルチェンジを受けた「CTS」に、2009年1月から追加された最強バージョンのこと。アグレッシブなフロントマスク、レーシーなワイヤーメッシュのホイール、スーパーチャージャーを収めるためにマッシブに盛り上がったボンネットなど、走りを主張したスタイルが印象的。まるでステルス戦闘機のようだ。
まずは、乗り込んで見まわしたインテリアがアメ車っぽくない。非常にタイトな空間。そして黒光りするセンターコンソールや、洗練された配置のオーディオ/空調の操作スイッチ、ダッシュボードから上にせり上がるカーナビなど、高級車のトレンドを見事踏襲している。
レカロ製シートに体をしっかりホールドされてエンジンスタート。スウェード調(マイクロファイバー製)のステアリングホイールの手触りが非常にいい。タイトな空間と相まって、ちょっとしたレーシングカーのような雰囲気が味わえる。それでも街中を走れば、まるで一般車と同じように快適至極であり、このタイトな空間にさえ慣れればもしくは馴染めば、毎日の足としてまったく不都合なく使えるだろう。
ところが! 前が空いたのを見計らってアクセルを開けると、とんでもないことが起こる。ケツに火がついたようなロケット加速。ジェットコースターに乗って加速時に一瞬息が詰まるというか、呼吸できない状態を思い浮かべて欲しい、そんなような状態に見舞われる。はっきり言ってクルマでそこまでの加速感が味わえるのは稀だと思う。ホントに凄い。
けど、加速自体は凄まじいが、6段ATやスタビリトラック(電子制御式の車両安定装置)、そしてサスペンションが巧みな連携プレーを行って、この大パワーをいとも簡単に手なずけている。変速はスムーズだし、シャシーはパワーを確実に路面に伝えている。コーナリングも得意で、決して“直線番長”だなんてことはないと思う(あくまでも編集部レベルのドラテクで)……。
短時間の試乗では、あまりの凄さに冷静な判断が下せていない可能性もあるので、後日改めて試乗したいと思っている。ただ、少なくともこのレベルの車両をいじるには、それ相応のスキルやテクニックがいるのは間違いない。そういった意味でも編集部では、クワッドドライブを取材していき、陰ながら応援していきたいと思っている。
<関連情報>
>> キャデラックCTS-V カスタム プロジェクト VOL.2 を見る
>> キャデラックCTS-V カスタム プロジェクト VOL.3 を見る
>> キャデラックCTS-V カスタム プロジェクト VOL.4 を見る
>> キャデラックCTS-V カスタム プロジェクト VOL.5 を見る
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