フルサイズバンの最新モデル、シボレーエクスプレスは、03年モデルを機にフルモデルチェンジを図り、エンジンバリエーション、シャシーおよびエクステリアと、全域にわたりリニューアルされた。
エクスプレスシリーズに搭載されるエンジンは全4種類。今回紹介する5.3リッターV8は285ps、トルク44.9kg-mを発生させる。
この動力性能向上に合わせ、シャシーおよび足回りは大幅に見直され、これまでFR一辺倒だったモデルラインナップに、新たにAWD4(駆)が加えられた。これに伴い、ボディ各部が補強され、剛性がアップ。さらに径の太いスタビライザーの採用やブレーキ性能の向上で、走行性能が格段に上がっている。
一方、エクステリアは、シボレートラックシリーズ共通のツリ目のヘッドライトをはじめ、グリル、バンパー、フードにいたいるまで大幅なリニューアルが施された。
なかでもこれまで片側だけだったサイドドアが、このモデルからオプションで両側サイドドアを設定でき、使い勝手を一段と向上させている。特に左側から乗降する機会の多い日本では、このドアは重宝するに違いない。
試乗は主に一般道を中心に行なった。この5.3リッターV8エンジンは、前モデルよりも排気量こそ小さくなったが、30psのパワーアップを図っている。
実際に試乗してみると、2トンを越えるボディを軽々と走らせ、高回転まで一気に回るエンジンであることが分かる。さらに柔軟性に富み、街中から高速までをも十分にこなすだけの力を持っている。
また、その際のV8エンジン音が高級感に溢れ、普段日本製ミニバンで聞き慣れているエンジンの音は比べモノにならないほどの快音を発する。
シャシーはAWDとなり、各部の剛性がアップし、それは街中をある程度走っただけでもすぐに認識できる。ボディは、オプションの両側サイドドアを装着しているにもかかわらず、キシミ音ひとつ発しないガッチりしたもので、ステアリングも適度の重さを保ちつつ、非常に正確であり、全体としてバンとは思えない身のこなしを演じる。
前モデルよりも若干大きくなったボディは、街中では少々戸惑う面があったのは事実であるが、それは慣れの問題であり、その大きさがもたらす快適性、利便性を考えると「まあ、いいかなぁ」と納得できるほどの大きさではある。
インパネは非常に簡素だが、しかし機能的であり、さらに各操作系のソフトなタッチが、エクスプレスバンとしての高級感を増幅させている。
室内は3列シートを配した8人乗りのベンチタイプ。それでもラゲッジスペースは十分にあり、フルサイズバンならではの使い易さは特筆モノである。
新型エクスプレスには、前モデルのような穏和な雰囲気は一切ない。それはイカツイフロントマスクを見ても分かるし、乗って動かせば、そのガッチりとした剛性感によって嫌というほど認識させられる。
しかし、バンとしての使い勝手と走行性能は格段に上がっているからそれでも十分満足できる。
ここ最近、特に2000年以降にモデルチェンジやニューモデルとして登場したアメ車の「進化ぶり」には目覚ましいものがある。「アメ車はダメ車」といった風潮はもはや過去のものとなり、発想の自由さ、クルマ作りにおける奇抜さというアメ車独自の世界観において、これからも高性能かつ面白いクルマを次々に登場させててもらいたい。
12,810円
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