トヨタタコマとは、トヨタの北米市場における中型ピックアップトラック。いわゆるミッドサイズピックアップである。ライバルはご存知GMのキャニオンでありコロラドであり、フォードのレンジャーであり、そうしたライバルたちのモデルチェンジ後にこの型のタコマはデビューしている。
現行型タコマとは初代モデルから3世代目モデルにあたり、2004年に発表された2世代目タコマから11年を経て2016年にモデルチェンジとなった。
デザインは、米国カリフォルニア州のCALTYが担当。大型の六角形グリルをはじめ、逞しさを強調したデザインとなっている。
搭載されるエンジンは、2.7リッター直4と3.5リッターV6。ともにガソリンエンジンであり、3.5リッターV6は当時の新開発エンジン。直噴化およびアトキンソンサイクル化されており最高出力は278hp、最大トルク265lb-ftを発生させ、6速MTおよび6速ATと組み合わされる。
ボディはミッドサイズのダブルキャブ+ショートベッドで全長約5390ミリ。ハイラックスが全長約5200ミリだから、その差40センチ=日本での使い勝手に優れるサイズ感。
ちなみにタンドラの全長が約5800ミリだからタコマは逆に40センチ短い。
デビュー当時に用意されていたグレードは、以下の5つであり、2017年から「TRDプロ」が加わっているから現在は6グレード。今回取材したモデルはこの中間にあたるTRDスポーツの3.5リッターV6搭載モデルである。
・TRDプロ
・Limited (リミテッド)
・TRD Off-road (TRDオフロード)
・TRD Sports (TRDスポーツ) ←取材車両
・SR5
・SR
タコマのモデルチェンジは、当時ガチライバルだったGMのミディアムピックアップ・シボレーコロラド/GMCキャニオンが2014年にデビューしたことを含んでのフルモデルチェンジ。それまで独占状態だったミディアムクラスにライバル出現ということで、気合の入った全面改良だった。
最近では、本国アメリカでのオフロードスポーツ系ユーザーはこのミディアムトラックをベースとすることが多くなったと言われており、各メーカーも矢継ぎ早に対応モデルを輩出していた。タコマに関して言えば、「タコマTRDプロ」がそれにあたり、今なおミドルクラスピックアップの熱いバトルを展開中である。
なお、こうした王道的ピックアップの中において、独自のコンセプトにより生まれた存在がホンダリッジラインであり、タコマ、コロラド、レンジャーあたりとは向き合わず、多目的車両としての魅力を追求しているのである。
さて取材車両であるが、タコマの2022年型BCD車両。走行800キロであるから、ほぼほぼ新車のような存在。ボディカラーはアーミーグリーンであり、ムーンルーフやTUBEステップ、ベッドライナーといった装備が付帯している。
で、グレードがTRDスポーツであるから、3.5リッターV6エンジンが搭載され、6速ATと組み合わされるとともに、ボンネットフードにダクトが装備され、バンパーが同色ペイント、さらに専用の17インチホイールが備わる。
見た目においては、何と言ってもこのボディカラーだろう。まるで軍用車のような雰囲気を漂わせるアーミーグリーンが本当にカッコイイから、このままそれっぽくカスタマイズしても面白いだろう。
リフトアップしてシュノーケルダクトを付けてetc、なんてすればジープラングラーに勝るとも劣らないオフ車ができるかもしれないし。
しかもBCD車両であるから車両のコンディションはお墨付きだし、購入時にはBCDオリジナル60プランの利用が可能だから、購入後の整備やアフター、さらには3年後の売却時の最低限の金額が事前に分かっているのも乗りやすい。
実はタコマはじきにフルモデルチェンジが予定されている。恐らく2024年モデルとして販売が開始されるだろう。が、当然ながらそうした新車はデビュー時のプレ値が定番であるから、想定価格の1.5倍くらいの値がついたりするのが一般的である。
もう一つ気に入らないのだが、ミニタンドラ的スタイルとなること。あくまで現状ティーザー写真しか見ていないから確証はないのだが、どうやらスタイルは小さいタンドラとなる方向だという。
個人的には、タンドラもタコマも別のスタイルを持つ旧型が好みであり、現在のタコマは性能的にも問題がある車両ではないため、現行型で十分ではないかと思っている。
それでも新型が欲しいというなら、現行タコマのBCD車両を購入し3年乗ってから乗り換える(60プランを利用し)という方法もあるのではないかと思う。逆にその方がこなれた値段に落ち着いているのではないか。
今BCD阪神に行けば、同カテゴリーのライバル車たるホンダリッジラインの実車も同時に見られるから、両者を見比べ「どこがどう違うか」を確認しながら商談することが可能だし、もっともこんな機会はそうそうないだろうと思うから、見るだけでも価値が十分にあるとはずである。
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