1989年型カマロRSである。RSだから5リッターV8エンジンになるが、正直、この期に及んではどーでもいい。
今や5.7リッターV8を探したところでまともな個体が見つかるわけもなく、とりあえず「今乗れる個体、しかもV8」があるだけでも満足しなければならない時代なのだから。
89年型だから35年前の個体。くわえてディーラー車の整備記録簿付きで実走6万キロのコンバーチブル。だが今現在は、そこまで整った個体では正直ない。
いわゆるエイブル流に「走る止まる曲がる」に集中した整備が行われているが、内外装に関してはシートを交換し幌を張り替えたのみというから、誰彼構わずお目にかなう状態というわけではないかもしれない。
が、「フツーに走るよ」というお墨付きのもと、試乗させていただいた。
5リッターV8だから175hpかと思いつつ国道246から住宅街を抜け、川崎周辺を小一時間走らせてもらってひと言、「やっぱりこの年代のV8は気持ち良い」
Z28は245hpと言うかもしれないが、正直、その差は明確には分からない。2台を同時に比べればはっきりするだろうが、個別に乗っている限りにおいてはパワー不足等を感じることはなく、ただただ気持ち良いを連呼する。ガソリンが爆発していることを生々しく伝えてくれるのだ。
ハッキリ言って、現代の最新V8よりもよりリアルなV8サウンドが味わえるし心地良い!
同時にミッションの変速にも違和感は全くないし、逆にスムーズ過ぎて変速に気づかないレベルだし、ブレーキはこの年代にありがちな硬いフィーリングだが、それは慣れの問題であってトラブルでもなんでもない(とにかく駆動系がスムーズ極まりない)。
くわえてショックを新品に交換していることもあり、ダンピングが正確で、しかも小径ステアリングと相まって機敏に曲がるし扱いやすい。
この年代のカマロも、すでにヒストリックの部類に属するかもしれない。
が、それでも60年代70年代との違いがこのハンドリングの部分であり、リンケージ系を整備し、ショック等を変えればステアリングのデッド部分がなくなり、「ハンドリング」と言われるステアリングの反応が明確になるから今の時代でも十分に楽しめる。
この個体も、当然そうしたハンドリング部分に手が加わっているから驚くほど軽快に走らせることが可能であり、ディープサウンドを放つV8エンジンと相まって非常に楽しい。しかもコンバーチブルである。
この年代ならではのコンバーチブルらしく開放感が半端ないから風の巻き込みは激しいが、周りからの視線も多めでとにかく目立つしカッコイイ。
走りの楽しさを倍増させるコンバーチブルに、ご機嫌なV8サウンドを伴っているからとにかく楽しい。
ちなみに、エアコンは良く効くし、サイズ的にも感覚がつかみやすいレベルだから、街中のすれ違い等にも全く苦もなく通過可能だし、サイドミラーもディーラーミラーだけに鏡面が大きく確認がしやすい。くわえて車高も適切だから下回りを気にするようなこともまったくなかったことを付け加えておく。
この個体は、エイブルが入手した時点で多数の整備記録が存在し、下回り等を打った痕跡もなく、メカ部分に関しては非常にコンディションの良い個体という判断であった。
ただし、ボディ外装&内装に関しては35年の経歴を感じさせるヤレが存在しており、その部分に関しては幌を張り替え、シートを交換する等して対応している。
ちなみにシートはトランザムのシートを採用したということで、背中と腿裏のサポートが非常に充実しており、乗っていて不満が出ることは全くなかった。
それ以外の部分は、「まだまだこれからですかね」ということで、この先購入者が現れればその方の意向に沿うことも可能だそうだ。
35年前の個体ということで、当然ながら消耗&劣化はある。だが何より安心なのは、走りに関わる部分がしっかり調整されており、コンバーチブルとして幌が新品に張り替えられていること。
すなわち、購入後にトラブルを心配する大きな箇所が前もって潰されているわけだから=「走る止まる曲がる」を一定レベルにまで押し上げたこの個体なら、かなり気楽に乗れるはずである。
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES