クライスラーボイジャーやホンダラグレイトのライバルで、いわずとしれたアメリカンミニバンの人気ナンバーワンモデル。
とは言うものの、日本で走っているアストロの多くはコンバージョンモデルといって内外装に大幅なドレスアップを受けた、いわゆるカスタムカー。したがって、こちらのノーマルモデルは見る機会があまり無い。しかし、コンバージョンのまともな新車は非常に高価なクルマでおいそれと手が出ない。中古車なら値もこなれているが、中にはボロになったノーマル車をベースに、コンバージョンという厚化粧を施しているクルマもあり、初心者がコンバージョンの中古に手を出すのはちょっと勇気がいる(スタークラフトなどの正規コンバージョンモデルの中古なら全然問題ない)。
今回の試乗車は、04年のノーマル新車。走行は3万キロ弱。ノーマルモデルは単なる実用ワゴンという感じのクルマだが、日本仕様になっているし、信頼性の面でも安心できる。それにノーマルでも、アストロならではのトルク感のある走りと高い居住性を楽しむことが出来る。
ストローク感のあるゆったりとした乗り味はノーマルアストロならではのものだ。GMジャパンの手によって輸入されたこのノーマルモデルは、193psを発揮する4.3リッターV6エンジンを搭載。
レードはLSとLTの2タイプで、LSは2WDと4WD、LTは4WDのみの設定となっていた。もちろんLTの方が装備内容が豪華になっている。
また、4WDモデルには、8ナンバー登録となるキャンピングカー仕様の「フォレシエスタ」というモデルも用意されている。
5年落ちとはいえ、久々の純正ノーマルモデルのステアリングを握る。
これまで取材したほとんどが、車高を下げていたモノが多かったためか、視線の高さが結構気になる。だが、純正のステアリングの操作性は非常に良い。径の大きさも握りの太さも個人的な好みに近い。
エンジンをスタートし、いざ出発。しばらく街中を走る。これまで幾度となくアストロを取材してきたが、これほどまでに気持ちよく走るアストロも珍しい。すべてにおいて心地良いのだ。
ブレーキも、最初は覚悟していたが、普通に止まる。ステアリングの感覚もダルさは微塵も感じない。けれど、だからといって、国産車なみの剛性感があるか、と問われればさにあらずだが、これまで体験したアストロの中では間違いなくナンバーワンである。
搭載されるエンジンは4.3リッターV6OHV。193ps、トルク34.6kg-mを発生させる。レスポンスがいいとか、静粛性が高いとかいう評価はできないが、それでも2トンを越える車体を軽々走らせ、他のミニバンを圧倒するパワーを見せつけるトルクフルなエンジンにはハッキリ言って感動させられる。
一方足回りは、かなりソフトな部類に属するが、商用ベースと考えるとそれほど悪いとは言えない。逆にノーマルでも十分に走れることを知り、改めてアストロというアメ車に可能性を感じた次第である。
もし可能なら、いまコイツを買って、この先10年10万キロの道具として使ってみたいと思わせるだけの魅力を備えていたのである。
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