プロアスリートにはカーマニアが多いのは有名な話だが、競輪選手の若きエース、深谷知広選手もその一人。若干23才にしてポルシェパナメーラ、モパー11、トヨタ86、エスティマハイブリッドと、4台もの愛車を所有しているほどのクルマ好きである。
しかし、いくら高額賞金を稼ぎ出す若手ナンバーワン競輪選手とはいえ、独身の身で4台もの愛車を同時進行で所有するというのは、クルマ好きという言葉の領域を超えているようにも思う。
「ボクの趣味はクルマくらいなんですよ。子供の頃からとにかくクルマが大好きでいろんな雑誌を読んでいました。今でもほとんどのカー雑誌を定期購読しているんです。そんな自分にとって、クルマというのはレース(仕事)におけるモチベーションを上げるための存在でもあるんです。
成績が上がったらクルマを買い替えよう。このレースに勝ったらパーツ買おうとか。苦しいトレーニングに耐えて結果を出した後の自分に対するご褒美ですかね」
この辺の感覚はいかにも厳しい世界に身を置く勝負士らしいお言葉である。
発売当時は全世界1000台限定(アメリカ900台、カナダ100台)ということで、3万9750ドルというメーカー販売価格に対して非常に高いプレミアがついてしまうほど、入手困難なモデルだった。
このクルマの魅力は、あえて5.7リッターV8ヘミをベースとしているところ。一部のマニアでは6.1や6.4よりもV8らしいパワーと吹け上がりを実現していると高評価されているユニットであり、そいつをベースにファイナルギアを変え、ボディ、足回りを強化したということで、かなりの人気となったのである。
勝つために厳しいトレーニングをこなし、結果を出す。そしてクルマを買う。言葉にすると簡単だが、それをずっと続けることは難しい。だからこそのご褒美でもある。
ところで、深谷選手の愛車に2台の4ドアセダンが加わっていることにお気づきだろうか? しかもどちらもハイパフォーマンスセダンだ。ダッジにならチャレンジャーもあるし、ポルシェにだって911やボクスター、さらにカイエンだってある。なのに(似たようなとは言わないが)、セダンが2台。
「ボクが愛車を選ぶ際の最低条件が、自転車を積めることなんですよ」
なるほど。競輪選手というのは仕事での移動距離が非常に長い。西へ東へと日本中のレース場を巡るからである。中には自転車をはじめとする商売道具は空輸し、自分自身は公共の交通機関を利用する選手もいるというが、大半の選手は移動の足に愛車を利用している。つまり競輪選手にとって、クルマは趣味の対象であると同時に重要な商売道具となっているのである。
けど、それなら普通に考えれば積載量の多いバンやワゴンをチョイスしても良さそうだが(実際にそちらの方が多いというが)、なぜにセダンを?
「移動距離が長いだけに移動速度や移動時の快適性も重要なんですよ」
現役でいる間は自転車を積めるという最低条件は変わらないという深谷選手だが、将来的に引退したら2ドアのスポーツカーに乗りたいとのこと。
競輪選手の寿命は長いので、深谷選手が2ドアスポーツカーに乗るのは随分と先のことになるだろうが、それまではハイスペックな4ドアセダンという愛車のラインナップが続きそうである。
エンジン自体はノーマルであり、5.7リッターV8ヘミは370hp、最大トルク395lb-ftを発生させる。これをベースにボディ各所にファインチューニングが施される。
ブラックを基調とした室内にもモパーブルーのラインが入れられ、クロームの輝きとともに、効果的なアクセントとしての役割を果たしている。
ドア周りにカーボンパネルを装着している。これは購入後に手を加えたものだ。
深谷選手が乗っているダッジチャージャー モパー11とは、2011年に登場した限定1000台のハイパフォーマンスモデル。ベースとなっているのは5.7リッターV8エンジンを搭載しているチャージャーR/T。ピッチブラックと呼ばれるボディカラーにモパーブルーのストライプが入れられ、20インチホイールやオリジナルシート、ピストルグリップのシフトハンドル、ステッププレート等、ブラックとブルーとクロームとを絶妙な加減でまとめた専用モデルである。
モパー11は、その名の通りモパーがモディファイを担当しており、ファイナルギアを変更し、強化スタビライザーと車体前後に強化ブレースバーを入れ、ブレーキを大径化したりすることで、パフォーマンス部分においても目覚ましい進化を遂げている。
ちなみにエンジン自体はノーマルであり、5.7リッターV8ヘミは370hp、最大トルク395lb-ftを発生させる。
これらがモパー11の概略となるが、このクルマ、驚くほど印象が良い。まずファイナルギアが変えられていることで加速力が格段に上がっている。さらにボディ補強やブレーキ強化を行っているためにまるでチューニングモデルのように引き締まっている。エンジンパワーが上がっているわけではないが、明らかにトータルパフォーマンスは向上しているのである。
チャージャーと聞けば、「SRT-8」と思うかもしれないが、こうした限定モデルにおいても魅力的なパフォーマンスモデルが続々登場しているのが、チャージャーの特徴のひとつである。
ピストルグリップ型のシフトノブはモパー11のオリジナル。このモパー11にはMTの設定はなくATのみとなる。
シンプルで視認性の良いアナログメーターはノーマルモデルと同じものとなっている。
リアトランクルームに装着されているブレースバー。ボディを強化する一方で、深谷選手にとっては「このバーのおかげで自転車を分解する必要があるです」ということで、ちょっとした悩みの種でもある(笑)。ちなみにパナメーラでは、そのまま積載できるとのこと。
合成じゃありません。ちゃんと競争しました!
19,404円
PERFORMANCE
6DEGREES
19,998円
PERFORMANCE
6DEGREES
3,480円
MAINTENANCE
GDファクトリー千葉店
48,070円
EXTERIOR
6DEGREES