昨年フルモデルチェンジを実施したジープラングラー、通称「JL」型には、そのピックアップ版たるグラディエーターの登場が控えていた。2020年型ジープグラディエーターである。販売グレードは「スポーツ」、「スポーツS」、「オーバーランド」、「ルビコン」の4種類。
グラディエーターは、今のところ正規導入の予定はないから、日本に数あるアメ車ショップが独自に直輸入しているのが現状である。そんな中、ベルエアーがグラディエーターを上陸させた。
モデルは2020年型ジープグラディエーター 「スポーツS」と「スポーツ」の新車である。赤いボディが「スポーツS」で黒が「スポーツ」になる。両車の違いは装備の違いであり、基本ボディに大きな違いはない。
すでに日本各地には直輸入されたグラディエーターが見られるが、その多くが「ルビコン」。たしかに「ルビコン」はいいが、購入総額700万円越えとなる価格がネックだと思う。
一方、この「スポーツ」系だと600万円台で購入できるから、「どうしてもルビコン」というなら別だが、「スポーツ」で十分、という方も多くいるはずだから、選択肢が広がることは良いことだろう。
グラディエーターの基本ボディは、JL型のラングラーがベースであるから、フロント部分からドア部分に至るまではラングラーと同一。それ以降のボディ後部を31インチ延長し、ホイールベースも19.4インチ延長して製作されているから、パっと見はラングラーに見えるものの、実物の印象はまったく違う。
簡単に言えば、ラングラーの4ドアモデルの後席までの空間は同じで、その後のスペースが荷台になった感じ。だが、ホイールベースを延長させ上手くバランスが保たれたデザインになっているから、デザイン的にはしっかりピックアップトラックになっている。
とはいえ、一時期流行ったSUT的なカッコだけのピックアップではないし、同時にいわゆるアメリカンピックアップトラックの、「いかにも」感もない。あくまでラングラーのピックアップトラックとして使えるところが新鮮。
しかも後部の荷台にはオフロードバイク2台、あるいはカヌー2艇を積めるだけの積載スペースがあり、また最大で約3470キロまでの車両を牽引する能力もあるから、たとえばボートやジェットなどの乗り物からキャンピングトレーラー等を引くことが可能である。
また、走破性を維持するために最低地上高やアプローチアングル、デパーチャーアングル等は確保されており、水深も30インチ程度なら侵入可能である。
こういったグラディエーター特有の能力が確保されているにもかかわらず、4ドアラングラーとしての居住性がほぼ失われていないのが嬉しい。
このボディに搭載されるエンジンは、JLと同様の3.6リッターV6ガソリンエンジンで、285hp、最大トルク260lb-ftを発生させる。それを8速AT(6速MTもある)で駆動させる。乗員定員は5名である。
一方インテリアは、メーター類が一新され、センターにはアップルカープレイ&アンドロイドオート対応の8.4インチタッチスクリーンディスプレイが装備される(「スポーツS」と「スポーツ」とではタッチスクリーンのサイズが異なっている等の違いあり)。
室内の質感は、かつてのジープの面影は微塵も感じさせない、最新ジープのそれであり、直輸入ならではの左ハンドルの自然な感じがさらにいい。是非、多くの方に触れていただきたい逸品である。
また、ベルエアーの赤いボディ「スポーツS」は、すでにホイールが20インチのKMC XD137に交換されているから、インチアップされた見た目の印象が激変しており、これはこれでお似合いである。
さすがラングラーベース、ということなのだろうが、ホイールを換えるだけでもこれだけ印象が異なるわけだから、購入後の楽しみ方、仕上げの方向性はそれこそ無数にあるだろう。
いまの日本のファッションブームは「ミリタリー」と「アウトドア」の二本柱が牽引していると言われていて、世のアウトドア嗜好とミリタリー好きの両方を満たす存在がジープなのである=街中でジープ系車両を見かける数が日に日に多くなっているのは、きっとそのせいもあるのだろう。
なかでもグラディエーターは、街中で見かけるラングラーとも一線を画すピックアップトラックであり、荷台を上手く使いこなすことができるなら、それこそラングラー以上のインパクトを街中に発することができるに違いない。
12,810円
PERFORMANCE
6DEGREES
17,298円
PERFORMANCE
6DEGREES
18,420円
PERFORMANCE
6DEGREES
2,090円
MAINTENANCE
6DEGREES