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ハーツライジング代表取締役社長・山本英俊

1991 フォード ブロンコ エディバウアー(Ford Bronco Eddie Bauer) 後編

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ちょっと古めのGM製SUVやピックアップトラックを中心に取扱っているハーツライジングの代表である山本氏が、今回「愛車にするのは初めて」というフォード・ブロンコを選んだ理由とは? また、ネオクラシックやプチクラシックと呼ばれるジャンルのアメ車と上手に付合うコツとは?

更新日:2014.04.15

文/田中享(Tanaka Susumu) 写真/田中享(Tanaka Susumu)

取材協力/ハーツライジング TEL 096-349-0073 [ホームページ] [詳細情報]

フォード・ブロンコを買ったわけ

 加齢に伴うライフスタイルの変遷に合わせて愛車を乗り換えて来たという山本氏だが、これまでの愛車は見事なまでにGM車ばかり。それがここにきて始めてフォード車を愛車に選んだ理由とは?

 「半分は偶然、半分は勉強のためですね。
 このブロンコは店頭在庫するための車両を探している時に偶然見つけた車両なんですよ。D車で程度も良さそうだったから仕入れたんですが、ちょうど久しぶりに愛車が欲しいと思っていたこともあり、自分で乗る事にしたんです」。
 「僕は元々このくらいの年式のブロンコのスタイルは好きなんですが、これまでは縁がなかったんですよね。
 うちの店でGMのC/Kシリーズの取扱いが多いのは、僕や店長が好きだという事もあるんですが、それ以前にマーケットが大きいというのが一番の理由です。程度の良い車両が仕入れ易く、また修理やメンテナンスを行う際にも部品の入手に困る事が少ないので。
 でも、だからといって別にうちはGM車専門というわけではなくて、実際にフォードやダッジのモデルも販売しているんですが、相対的には圧倒的にGM車の取扱い数の方が多いので。結果的にこれまではGM車しか愛車にする機会がなかったんですよね」
 「いくらメカニックの修行をしていても、クルマっていうのは自分自身で所有して乗り回してみないと分からない事もあります。そういう意味で、自分の趣味は別にして、後学のためにも一度はフォード車にしっかり乗ってみたかったというのもある。
 今回は色んな意味でタイミングが良かったんですよね」

1991年型ブロンコは第4世代の最終型となる。ベースとなっているのはピックアップトラックとしては世界一の販売台数を誇っていたフォードFシリーズ。日本へは当時近鉄モータースが正規輸入していた。

エンジンは5.8リッターV8。フィーリング的にはGM系のV8とは少し違うが、電子制御のフューエル・インジェクションを採用しており、トルクフルで扱いやすいエンジンだ。

古いアメリカンSUV&トラッキンの魅力とは?

 70年代から90年代にかけてのSUVやピックアップトラックが現在のライフスタイルに最もフィットするという山本氏だが、一ファンとして、またプロとして、その辺のモデルの何が一番の魅力だと考えているのだろう?

 「生き物っぽいところ?(笑)。
 ちょっと古いアメ車って、手をかければ手をかけるほど良くなるんですよ。また、どこか壊れてもきちんと修理してやれば復活する。
 表情があるというか、調子が良かったり悪かったりするのがオーナーさんにも分かる。ペットと同じとまで言っちゃうと語弊があるかもしれませんが、愛情をかければきちんと応えてくれる所なんかは本当に生き物的ですよね」

 「最新のクルマは高性能だし道具としては間違いなく昔のクルマより優れてると思います。でも、面白みはないですよね。完成度が高過ぎるというか、手を入れる余地がほとんどない。クルマからのインフォメーションはセンサー任せだし。クルマという道具の本来の意味では正解だとは思うんですが…」
 「先にも言ったように、僕がクルマに求めるのは利便性だけじゃない。スタイルや雰囲気も大切な要素なんです。
 例えばK5ブレイザーとかブロンコの昔のカタログって必ずアウトドアの風景が出てくるじゃないですか? あーゆー雰囲気って、今のクルマじゃなかなか出ないですよね」

 「あとは大排気量のV8エンジンも必要不可欠なアイテムですね。やっぱりあの独特のビート、音や振動は今のアメ車にない魅力です。
 最近のアメ車のエンジンは凄い高性能ですよね。でも、数値的なスペックがいくら高くても、V6や直4+過給機の小排気量ユニットじゃ絶対に出せない『味』というのは確実に存在しますよね」

インパネ周辺のデザインは同年式のK5ブレイザーと比べると、乗用車的。最近のフォード車と違って操作方法もスイッチやツマミなので、初めて乗った人でも何の苦労もなく運転できる。

シートはゆったりしたアメリカンサイズ。2ドアではあるが、リアのスペースも十分だ。

古いアメ車と長く付合うための注意点は?

 アメ車専門店の社長兼メカニックである山本氏のような人であれば、どんな年式のどんなモデルでも何の心配もないかもしれないが、あまりクルマに詳しくない普通の人が古めのアメ車を買うのは勇気がいるし、心配な事もあると思う。ということで、最後に山本氏に古いアメ車との上手な付合い方のコツについて聞いてみた。

 「40年代や50年代のクラシックカーになるとまた違うと思いますが、うちの店で販売している程度の年式のアメ車であればそんなに構える必要はないと思いますよ(笑)。
 程度の良い車両を購入したら、あとは普通にオイル交換などのメンテナンスさえサボらなければOKです」

 「例えば、うちの店で一番多く扱っているのは1973~1991年型までの第2世代のシボレーK5ブレイザーですが、K5はこの20年くらいは基本的な中身はほとんど変わっていません。サバーバンやC/Kピックアップトラックも基本は同じです。
 ブロンコの場合はもっと小刻みに世代交代をしていますが、こちらもまた1987~1996年型の第4世代と第5世代はほとんど同じだし、1980~1986年型の第3世代も中身はそう大きくは変わりません。
 70年代とか80年代前半のモデルと聞くと凄い古いクラシックカーに感じる人も多いと思いますが、アメリカンSUVやトラッキンに関しては、中身は日本のバブルの頃に現役で売っていたモデルと変わらないわけです(笑)」

 「あと、コツというのとは少し違うのですが、アメリカンSUVやトラックを買ったらガンガン使って欲しいですね。SUVやトラックというのは道具として使ってこそだと思うんですよ。
 ファッションで言えばジーンズやワークパンツ、スニーカーやトレッキングシューズというか(笑)。飾って眺めてるだけじゃ勿体ないですから」

 「ちょっと古いクルマというのは定期的に乗ってる方が調子が良いんですよ。逆に、長期間乗らないと調子が悪くなることもある。
 毎日のように乗っていれば、調子が良いとか悪いとか、そういった事も自然と分かるようになります。そうすれば、ちょっとした変化にも気付くし、僅かな異変を感じる事ができれば大事になる前に処理も出来る。
 僕から言えるのは、このくらいです。もしもっと何か聞きたい事があれば、何時でもいいので熊本の弊社までご来店ください(笑)」。

タイヤはBFグッドリッチのオールテレーン。ブロンコ用のリフトアップキットは数多く市販されているが、今となってはノーマルに近い車高の方がお洒落だろう。

古いアメリカンSUVならではの足付きの大型サイドミラーは視認性に優れるだけでなく、スタイル的にもグッド。この年代のアルミパーツの輝きは現代的なメッキパーツのものとはひと味違う。

オートマチックトランスミッションのオーバードライブのON/OFFや、四輪駆動のLOWモードの切替などはインパネサイドにあるボタンで行う。この辺のスタイルもちょっと古めのフォード車ならではの『味』だろう。

購入後の充実したアメ車ライフを想像すれば

 ちょっと古めのアメリカンSUVやトラッキンには独特の魅力がある。アメ車濃度の濃さはアメ車の数あるジャンルの中でも随一と言っても過言ではない。いかにもアメ車然とした大きなボディに無骨なスタイル。伝統的なアメリカンV8。シンプルで頑丈なメカニズム。etc。K5ブレイザーやブロンコに広大なアメリカのイメージを重ねて憧れる人は多いだろう。
 しかし、実際に買う事を考えた場合、そのハードルはそれなりに多い。とくに都会に住んでいる人にとっては、越えるべきハードルはいくつもある。でも実は、考え方ひとつで、ハードルの数は多くても高さはそれほどでもない事に気付く。
 また、ハードルを乗り越えて魅力的な愛車を手にした時の満足感や、その後の充実したアメ車ライフを考えれば、ちょっとした苦労くらいは厭わない気力も湧いてくるのではないだろうか?

>>フォード ブロンコ エディバウアー/ハーツライジング vol.1へ

アメ車のあるライフスタイル。アメ車に乗る自分を想像すれば…

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