すでにいくつかのメディアに登場しているガレージダイバンのマスタングだが、日本に上陸して以降毎日のように各種パーツテストや取材をこなし、すでにいくつかの新パーツの装備も具体化されているという。日本に上陸した初のマスタングV8モデル。搭載される5リッターV8エンジンは435hp、最大トルク400lb-ftを発生させ、6速AT+パドルシフトで駆動する。マスタングでは初のパドルシフト採用ということで、その変速タイミングも非常に気になるところである。
お気づきだと思うが、本国撮影時に装着されていたストリートフェンダーフレアは、実際の製品化に向け製作準備中ということで、日本上陸に際してはまだ装着されていない。だからこそ、ちょっと印象が異なるかもしれないと事前に予測していたのだが、目の前に現れた実物は、イエローのボディカラーと相まってものすごいオーラに包まれていた。
新型モデルのデザインは非常に洗練されており、イカツさとカッコ良さとアメ車的ダイナミックさが融合されたもの。個人的な印象では、ブラックとか濃いカラーよりもどちらかというと明るボディカラーの方がラインの抑揚がハッキリと出るため似合っていると思う。
V8+左ハンドル仕様は、今後正規ディーラーにおいても販売される計画はないというから(右ハンドル仕様のみ)、この仕様に乗るには本国ものを取り寄せる必要がある。そうした中で日本初上陸を果たしたV8エンジンのフィーリングとはいかに?
ドライカーボンのセンターストライプが入ったボディは、全体的にブラック&イエローでまとめられている。前回紹介した時点ではストリートフェンダーフレアが装備されていたが、現在は商品化に向けて準備中のため取り外されている。
ボディは、流麗なラインが強調されたカッコ良さとアメ車的ダイナミックさが融合されたもの。フロントマスクの表情も引き締まった硬派なもので、マスタングの名に恥じない。個人的な印象では、ボディカラーはラインが強調される明るいカラーが似合っているように思う。
搭載されるエンジンは、5リッターV8で、435hp、最大トルク400lb-ftを発生させ、6速AT+パドルシフトで駆動する。エンジン自体は旧型からの変化は少ないが、熟成された名機だけに十分に満足できる。
走りの性能は圧倒的だ。ATとのマッチングも良く、現代のスポーツクーペの名に恥じない。ただ、遮音がよくなり過ぎ静粛性が高まっただけにV8サウンドも穏やかに響くようになったかも(笑)
驚いたが、座席に座った瞬間から旧型モデルとの違いは歴然である。シートの調整によっていくらでも変化可能なご時世だが、ドライバーとダッシュパネルとの位置感覚が旧型時とはまったく異なっている。旧型よりも一層現代のクルマ化した印象であり(構えずダラっとも乗れる)、加えて全体的にルーミーな室内空間およびインパネ全体の意匠を含めてひと言「明るくなった」感が強い。
明るくなったとは非常に抽象的な言い回しだが、各部の作りやデザイン、質感、そういうものが連なって全体的に高品質な空間を演出しているとも言えるだろう。中には稚拙(安っぽい)との印象をもたらす方もいるかもしれないが、アメ車ファンからしてみると、歴代マスタングの中でも断然トップな作りと室内空間と断言できる。
さらにこのダイバン・マスタングには、オリジナルでフォードsyncの位置にナビがインダッシュ装備されており、ボタン操作ひとつでナビor syncの切り替えが可能となっているのだが(日本で施工。素晴らしく使いやすい)、インダッシュされている分センターコンソールに余計な突起物がなく、フロントウインドーの視界が遮られないのが余計にいい。
初となるスターターボタンを押し、ギアをドライブに入れスタートする。走り出せば、若干ボディは大きく、サイドミラーがデザインされ過ぎて小さくなっているのが少々難儀だが、数分もしないうちに慣れるし、あまりにも快適かつ素晴らしく速い加速力に「かなり進化している」と驚かされる。
なかでもATが素晴らしい。旧型マスタングは非常に魅力的だったが、「もし自分で買うなら絶対MTだな」と常々思っていた。その最たる原因が低速時のもたつきだった。実際にはもたついているわけでなく、若干反応が鈍いのか、はたまたそういうセッティングなのかは微妙だが(ATだけでなくアクセルペダルのセッティングもある)、とにかく最初の一瞬の出足に常にダルさを感じるのがたまらなく痛痒だった。
だからこそ乗るなら絶対MTと常に感じていたのだが、新型のATは非常に良好なセッティングであり、加えてパドルのフィーリングもかなりの領域で洗練されている。だから乗っていて低速から出足良くV8パワーを存分に使い切れ、かつダイレクトに反応するパドルをもって初めて「ATがいい」と思えたマスタングであった。
ホイールはVOSSENの「VRF-1」 22インチであり、ユーロテイスト溢れる細身の10本スポークをチョイス。組み合わされるタイヤは、ファルケンのフロント245/30・22、リア295/25・22インチをセレクト。
サイドウインドールーバーはディフェンダーワークス製のパーツだが、本国フォードのディーラーオプションとなっており、USディーラー公認のアフターパーツとなる。ちなみにハイマウントストップランプを内蔵するルーフスポイラーも同様のパーツとなる。
リアバンパー下にはボディカラーにあわせたディフューザーが装備され、マフラーにはギブソンをチョイス。V8サウンドがより一層野太い刺激的なものに変貌する。
あまりの乗りやすさに、最初は「乗用車っぽくなり過ぎか」との若干の心配もあったが、パドルを使いV8サウンドを響かせれば、それこそ唯我独尊のスポーツクーペの魅力を発揮する。
足回りは、22インチのVOSSENを履くが、マスタングの標準タイヤが18インチで、オプションで20インチまで対応することから、22インチでも十分に履きこなしオーバースペック感が一切ないのが嬉しい。かつこのVOSSEN、新型マスタングとのマッチングが素晴らしく良く、まるで純正ホイールのような佇まいが逆にいい。
ボディの剛性感やハンドリングのスムーズさ、加減速時の安定性等、当たり前だが新型モデルならではの素晴らしさは言うまでもない。それにプラスして重低音を響かすV8サウンドが聞けるのだから、あえて飛ばす必要などなく、街中を普通に走るだけでも常に楽しい。ちなみに、パワステのみ最初は若干の慣れが必要かも。
ただ、今回のフルモデルチェンジおける最大のトピックス、いわゆるリアに採用した4輪独立懸架サスに関しては、リアからのバタつきがかなり減ったくらいしか体感できなかったのは致し方ない。
これに関してはもう少し走行レベルを上げてみないと何とも言えないのが正直なところ。恐らく、速度域の高い状況でコーナリングをする、もしくはワインディング等で振り回す走りをすれば、それこそ歴然なのかもしれないが。それでも旧型との乗り心地の差異は明白だから、飛ばさずともその違いはわかるはずである。
年々進化していたインテリアは、新型となりより一層質感を上げている。全体的に明るムードになりアルミパネルを使用している利点が現れる。センターのエアコン3連の吹き出し口はV8の特徴。直4エコブーストモデルは吹き出し口が2連となり、その他に2つがサブメーターが追加される。
日本上陸を果たし最初にPV撮影を行い、その後テインのサスペンションテストを行い、その後ナビゲーションのカスタマイズを行っている。syncの画面にワンタッチ操作で現れるナビゲーション。非常に操作しやすく、抜群の操作性が自慢。
左側に見えるボタンを押すとsyncからナビへ画面が切り替わる。再びボタンを押すとsyncに戻る。まるでオリジナルのような出来栄えに拍手。画面を切り替えても登録情報がクリアになったりすることもないから、走行中に両画面を操作することが可能となる。
新型2015のモデルのスペックは全長×全幅×全高:4783×1915×1382ミリで、2014年型の旧ボディが4788×1877×1417ミリということだから、2015年型は若干外寸が短くなり、横幅が大きくなり、高さが低くなっているのが分かる。
この新型モデル、全体的な完成度や質感を考えればそれこそBMWやメルセデス等のスポーツクーペと対等に競えるだけのものを身につけたと考えていいだろう。ここら辺をライバル視すれば、どれを選ぶかはある意味センスであって、逆にどれを選んでも間違いないレベルでもあり、新型マスタングはそういう領域に達した初のスポーツクーペと言っても過言ではないだろう。
さらに今回紹介するように、各種カスタムパーツを張り巡らし、1インチのローダウンとホイールのインチアップを行えば、これだけクールなマスタングができるわけだから、カスタムにおけるステージアップの魅力は、それこそBMWやメルセデスの比ではないだろうし。
新型マスタング、しかもV8エンジン搭載車+左ハンドルは、当初の予想どおり誰の期待も裏切らない進化を果たし、より万人に薦められる存在となったと言っていい。これなら、今まで乗ったことない方でもスムーズに乗り換えることが可能だろう。
一方で「じゃあ旧型を降りて新型に乗り換えるか否か」という別の問題もあり、その部分に関しては要検討と言わざるを得ない。魅力の質が違うだけに即答が難しいからだ。
新型は完璧に近い。しかも格段に洗練されている。ただ、旧型は旧型で十分に個性があり、オリジナルマスタングを模した復刻デザインはそれはそれで価値があると言えるだろう。加えてV8エンジンは濃厚なフィールを示し、現代基準のクルマであるにもかかわらず、まるで旧車のような独特なアメ車フィールを味わわせてくれるクルマは先代マスタングしかありえない。
だからこそ新型が出たとはいえ、「それを捨ててまで乗り換えるべきか」と問われると正直答えに詰まる…。とはいえ、新型の良さは別格だから、それを知っておくことは必要だと思う。
繰り返すが、新型はめちゃめちゃいい。だから迷っているなら迷わず乗るべきである。絶対に後悔はしないだろう。
シンプルな形状のメーター周り。メーターだけを見れば旧型ほどデザインされたものではないが、全体的に視認性良く、まとめられている。
シフトレバやその後ろにあるトグル調のスイッチやエンジンスターターボタンは、どれも操作しやすく、質感も悪くない。特にATのシフトノブは、操作感抜群のフィールである。
マスタング初となるパドルスイッチは、右がシフトアップ、左がシフトダウンとなる。パドル自体はプラスチックのため質感は高くないが、操作フィールは悪くない。シフト操作もダイレクトで不満は感じない。
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