北米トヨタがラインアップするパッセンジャーカーの中では、最大級のボディサイズを誇る3列シートミニバン。3代目となるこの現行シエナがデビューしたのは2010年。プラットフォーム自体は2代目からの継承だが、ボディサイズが大型化され6速ATが採用されるなど、デザイン、機能ともに格段に進化した。
日本では大小さまざまな車種を揃えるミニバン大国のトヨタだが、北米で販売するのはこの「シエナ」のみ。日本で販売されるミニバンと比べると、狭い道幅や「5ナンバー」などの規制に捕われないおおらかな設計が特徴。とくに5.1m×2mに迫る全長×全幅は、日本でのフラッグシップたるアルファード/ヴェルファイアを優に超えている。
一方で全高は1.8mに抑えられており、全高より全幅の大きな安定感のあるボディフォルムをキープ。限られた中で最大の車内空間を得ようと汲々とする日本のミニバンとは、ひと味違う思想で設計されている。
もちろん車内空間は広々としたもので、室内高こそ日本の箱型ミニバンには劣るものの、室内長・室内幅は圧巻のゆとりを誇る。また脱着可能な2列目シートなど、ユーティリティも優秀。多人数乗車に特化した日本のミニバンとは違い、いざと言う時にはバンやワゴンに匹敵する積載性も発揮してくれる。
グレード展開はベースグレードの他、「LE」、「SE」、「XLE」、「リミテッド」の全5種類で、最上級グレードにはムーンルーフやレザーシート、10基のスピーカーからなるJBLのオーディオシステムなども装備される。
搭載エンジンはパワフルな3.5リッターV6が主流だが、下位グレードには2.7リッター直4もラインアップ。直4とはいえ「4ランナー」などSUVの心臓も担うパワーユニットだけに、こちらもミニバン用としては十分なパフォーマンスを秘めている。駆動システムはFFと4WDの用意があるが、4WDは3.5リッターのみの設定となっている。
デビューからまだ間もないために、2012年モデルにおいても変更はない。
初めて見るシエナの実物。これまでいろいろな情報自体は得ていたものの、現車を見るといくつか納得するところがある。シエナは業界的に今、もっとも引き合いのある逆輸入車の1台である。その理由が、実車を見ることで分かった気がしたのだ。
このクルマ、目指すところは国産ミニバンユーザーおよびユーザー予備軍に対するアピールである。
タンドラやセコイアがアメ車オーナーおよびトラックユーザーおよび高級SUVオーナーに対するアピールであるのに対し、シエナは対国産ミニバン一本である。もちろんダッジバンユーザーなどが興味を持つ可能性は否定できないが、ショップが実際にアピールすべきは対国産オーナーである。そういう観点でみると非常に分かりやすいクルマだった。
ボディ全体の印象は、「結構小さいなあ」というもの。シエナは絶対的なボディ数値は大きいのだが、非常に小さく見える。
一方で室内に乗り込むと非常に広大なスペースを有するミニバン風情。シートは大柄でハーフレーザーとグレーステッチなどはカジュアルなミニバンとして非常にシャレていると思う。
目前に広がるインパネもシート同様非常に洗練されたもの。トラック等の無骨かつ質素なアメ車的ノリはまったくなく、機能的にも優れており、また質感的にも十分競争力あるものだ。
ライバルとして考えられる存在は、国産でいえばアルファード、エスティマ、エルグランドあたりになるだろうが、正直彼らの最新の現状を筆者は知らない。なのであまり無責任なことは言えないのだが、ライバルたちに対する競争力は確実にあるし、また街中を走る実数も明らかにシエナの方が少ないわけで希少性も高く、人と違うミニバンを求めるならシエナは格好の1台ではないだろうか? 耐久性やクオリティは国産トヨタとなんら変わるところはないし、値段だってアルファードの最上級買うならシエナが余裕で買えてしまうだろうし。
パッと見エスティマ? とも見えなくはないが、よく見るとトヨタの左ハンドル車。しかもボディデカくて存在感があり、室内空間のアレンジ度は国産よりも数段高い。各部の造りにアメリカ的なところが見えるのはご愛嬌だが、メカニカル的なクオリティはザ・トヨタ。国産買ってカスタムして個性出すのもよろしいが、だったらシエナ買えば、それだけである意味オンリーワン!
実際に触れてみると、興味ある人が多いのもうなずけるし、売れるのも良くわかった。
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